さて、私がインボイス制度に対して思うところの続き ・・・  現実的に事業が立ち行かなくなる会社・事業者が出てくるそれにより、取引先が失われたり、クールジャパンなど国策にも影響が出てくる。・・・について、、、これは、では、免税事業者が発端となる取引において、真っ当に価格転嫁されていけば、最終購買者である消費者(生活者)の負担が増すことになるとしましたが、、、多くの場合、真っ当にはいかないかな、と思っています^^;

まず、あらゆるものが値上がりする現在の商環境を考えれば、、、例えば、対消費者の商売では、これ以上の値上げ=売れなくなる値上げ余地のないくらい値上げしてきた)など、死活問題に直面しています。 すると、当然、川上側からの値上げ要請は受け入れられないか、自身の利益を削って受け入れるか、となります。 心情的にも、あらゆるものが高騰している折、インボイス制度に端を発する値上げは勘弁してよ! となりますよね。

例えば、フリーランス的な個人事業主の仕事では、発注者側の権限が強く、発注者が価格決定権を一手に持つことも珍しくないですが、、、インボイス制度施行に当たり、免税事業者とは取引しない方針が分かりやすいところ。 適格請求書発行事業者になったとしても、消費税分も収入と見なすことでギリギリ生活できていた状態では、、、今まで 100万円で受けていた仕事が、本体909,091円+消費税90,909円(税率10%)となると、サービス業の簡易課税は消費税分の 50%納付(45,404円の収入減)となり、それで生活が成り立つのか? と厳しい選択を迫られます

・・・仮に、税込み年商 240万円の場合、消費税納付により概算で 年 109,090円減額となります、、、具体的にイメージしてみると、月20万円で、健康保険・社会保険・市民税等も払って生活している人が、更に 月9千円以上も節約しなくてはならない状況です。 税額は、特例により3年ほどは 20%納付にできますが、、、先々を考え廃業を選ぶ人も出てくるだろうな、と思っています。 ・・・アニメーターや声優が抗議していたのは、単にインボイス制度反対と言っているのではなく、それ以前の価格決定権(価格交渉の余地)によるところも大きいと感じています

また、職人(個人事業主)と取引している会社では、職人と揉めれば事業が成り立たないなど、職人に気を遣うことが多いですが、、、職人は高齢者も多く、制度自体よく分からない、手取りが減るのは困る、手間が増えるのは嫌など、免税事業者のままでいることを選択することも多いと耳にします。 職人を多く抱えていると、発注者の負担は非常に大きなものとなりますが、その分、次の取引先や消費者に転嫁できなければ、いつまでその負担に耐えられるでしょうか

クールジャパンでは、漫画アニメ等、日本ならではの技術文化として、また、職人が介在する業界では、機械では生み出せない技術力など、これもまた日本のもの作りの基盤として、失われれば取り戻すことはできず、国益を損ねる類いのものだと思っていますが、、、インボイス制度施行を機に、廃業に向けて本格的に考える方も多く出てくるのだろう、と感じています

(つづく)