いつの頃からか「賃上げ」が必要と言われるようになり、戦争、自然災害、原油高騰、農作物不作、円安などが重なり、あらゆるものが値上がりすると、「単なる賃上げ」ではなく「物価上昇以上の賃上げ」が必要!などと叫ばれるようになりました。
・・・それは分かるけど、、、今回は、中々「賃上げ」できない理由を、改めて押さえておきたいと思います。
まず、賃金や人件費には、①投資、②費用(労働の対価)の二つの側面があり、これらは基本的に、経営状況が悪ければ抑制されるべきもの。 ・・・例えば、赤字なのに、設備投資をする、人を雇うといった事業計画の承認を求められたら、、、さらに、そうしたからといって、黒字転換するわけではない(逆に、赤字が広がる/資金繰りに窮する)としたら??
・・・そうした計画を承認する人はいないですよね^^;
つまり、至極当然のこととして、「賃上げ」は、あくまで経営状況に余裕がある、あるいは、将来展望が相当程度見込める場合にできることなのですが、、、メディアでは、そうした当たり前の発言をした人は、それ以降、呼ばれなくなるようなのですよねぇ。。。
そして、メディアに残るのは、「賃上げしないと生活が困窮する」「物価上昇以上の賃上げが必要不可欠!」などと企業を糾弾する、視聴者(労働者)に聴き心地の良い発言しかしないコメンテーターだけ、、、そして、視聴者(労働者)はその言葉を鵜呑みにして不平不満を口にし、経営者はどんど追い込まれることに。。。
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近年、多くの中小・零細企業、小規模事業者に起きていることは、、、
① コロナ禍に財務状況が悪化(赤字/借入増)。
② ①が回復しない内に物価上昇で原価・経費が上昇。
③ 値上げ・転嫁するも売上は減少(利益維持やっと)。
④ 原価・経費は更に上昇するが、更なる値上げ・転嫁は困難(薄利を削る経営)。
⑤ 賃上げ企業に働き手が流出(疲弊に拍車)。
⑥ 経営状況が悪化する中、コロナ借入の返済開始。
・・・大手は、社会問題になるくらい内部留保が潤沢にあったし、コロナ禍からの回復も早かったため「賃上げ」の流れに適応していますが、、、
中小・零細は、インバウンド関連や一部の活況な業種を除き、相当数は 上記①~⑥ のような状況、、、「賃上げ」を当然のことのように求めるのは、もはや「弱い者いじめ」や「誹謗中傷」の類と思っています。
ただ、上記⑤ に関して、賃上げ(労働条件の改善)をしなければ、市場原理の中で、働き手が流出する/採用は期待できない ということは、甘んじて受け止めなければなりません。 (→ ここを批判する経営者や人事責任者もいますが、それは認識が違うかな、と思っています)
・・・こうしたことを踏まえて、これからどのようにしたら良いのかは、↓↓写真をクリックするとコラムが開きます。