11月1日、今日は創業記念日でお休みです。 といっても、大きな会社のように公休日といった類のものではなく、今すぐにやらなければならない仕事はないし、少し疲れもたまっているし、天気も良いし・・・のんびりショッピングでもしようかと思い立って決めた「お休み」です。 とは言うものの、私が街に出ると間違いなく「視察」になってしまいますし、夜帰ってくるとパソコンに向かって仕事をしてしまいます・・・ここ数年、お休みの日の定番の過ごし方かもしれません(笑)

 

さて、この仕事を始めて今日で丸6年が経ちました。 3年目くらいまでは、血気盛んな若者(・・・一般的には若くありませんが、この業界の中では若い部類でした)という支援の仕方だったように思いますが、ある商工会のベテラン指導員の言葉によって、その後徐々に支援スタイルが変わってきたように感じています。

「何が何でも元気にしなくてはならない支援と、元気にする必要のない延命のための支援・・・私は、支援には2つの考え方があると思います。」

人を診るのが医師、企業を診るのが中小企業診断士・・・こんな風に言われることがあります。 私が病院に行くのは、病気や怪我など体の不調を治したいから=元気になりたいからです。 ですから、当然のように、体調が悪くなった企業を元気にするのが責務・・・そう思っていました。

でも、元気にするのではなく、今の状態をより長く保つための医療や終末期の医療(ケア)など、様々なスタンスに立った医療があると思います。 ベテラン指導員の先程の言葉は、私の視野を広げてくれました。

それでは、何を基準に2つに分けるのか。 端的に言えば、経営者の年齢と借金の額です。

例えば、経営者の年齢50歳、借入金3千万円の企業があるとします。 自身の生活は会社からの報酬で成り立っています。 年齢を考えて、少し頑張って会社を持たせれば年金がもらえる・・・といった算段は立ちません。 業績がズルズル悪化して倒産することになれば、返済はどうするのでしょうか。 自己破産したとして、その後の生活はどうするのでしょうか。 50歳で再就職できるでしょうか。 そう考えると、何が何でも会社を立て直さないといけない。 つまり、何が何でも元気にするための支援をするのです。

例えば、経営者の年齢70歳、役員借入金のみの企業があるとします。 それであれば、自身の拠出したお金は諦めるとして、生活自体は年金でほぼ成り立ちます。 つまり、会社は利益を出すためにあるのではなく、生きがいとしてあるのです。 そうした企業にとっては、業績は良くならなくとも、資金繰りが回る最低限の業績が出せれば良いのです。 さらに、縁起でもないですが、あと何年仕事をしていられるかを計算し、その数年間だけ会社を持たせれば良いのです。 つまり、最低限の状態を保ちながら、毎日生き生きと暮らせるようなケアをするのです。

上記は一例ですが、子供の年齢や親の介護の程度、住宅ローンの過多など、様々な視点から支援の在り方を検討します。

おそらく、多くの中小・零細企業では、会社と経営者の人生が一体化しているはずです。 ですから、企業を診て経営者を診ず・・・営利を追求するべきという「あるべき論」だけでは支援が上手く機能しないのです。

経営者のこれからの人生を考えてどのような支援がベストなのか、支援の在り方を常に正しく判断できる支援者になる・・・今日から7年目のスタートです!