PTSD(心的外傷後ストレス障害)は、生命を脅かされるような体験やそうした状況を目撃したことで 精神的に(脳神経的に)強いショックを受け、精神的・身体的症状が引き起こされることをいいます。 ・・・戦争や犯罪、年初に発生したような災害事故によっても引き起こされます。

阪神淡路大震災以降、PTSDというものが広く知られることになりましたが、実際に被害に遭われた方だけでなく、救助者支援者が発症することも知られるようになりました。

東日本大震災では、リアルタイムで、また、その後も繰り返し災害の映像が流されたため、テレビを見ている方の中にも PTSDを発症する状況に、、、そうしたことへの注意喚起から、「この後、○○の映像が流れます」「ご気分が悪くなりましたら視聴をお控えください」などのテロップアナウンスがなされるようになりました。

2015年3月:岩手県 陸前高田市(奇跡の一本松)

さて、私は、東日本大震災復興支援で 岩手県・宮城県の沿岸部に何度も赴きましたが、青森・岩手で生まれ育ったこともあって、復興支援にはとりわけ気持ちが入っていました。 ・・・現地に入る前に、毎回その地域の情報を数時間に渡りネットで調べ(津波の動画や新聞記事被災者のSNSやブログ行政資料 等々)、現地では被害状況を見て、何人もの被災者に話を聴き、事後には、現地で得た情報を踏まえ 事前に調べた情報を再確認する

自分の気持ちとは線を引き、自分の中に取り込み過ぎないよう気を付けていたため、数年間の支援期間中は全く大丈夫だったのですが、、、支援が完了し、被災地赴くこともなくなって何カ月も経ってから、突然に被災地の映像が見られなくなってしまいました

・・・具体的には、津波の映像を見て 1-2秒後に、色々なもの(情報・映像・感情など)が一気に押し寄せ頭が処理不能、、、精神不安の状態になるとともに、動悸・過呼吸・全身の震え・吐き気・・・PTSDでいうところのフラッシュバックというのでしょう

私は、危険な状況に遭ってはいないですが、あまりに多くの映像や記事を見すぎたこと、被害状況を具体的に調べ過ぎたこと、現地で実際に見て聴いてきたこと、感受性が高い性質であったこと(自分が体験したかのように感じ取ってしまったこと)・・・などからこんな状態になったと自覚し(→そうならないよう気を付けていたがダメだった)、震災映像は見ないようにしました

・・・その後、数カ月経ってたまたま見てしまった時は、以前ほどではないけれど同様の症状が、、、また数カ月経ってから見た時には 少し症状が治まったかな、と自分の状態を確認していき、9-10カ月ほど要しましたが、震災映像を見ても大丈夫な状態に戻りました

年初に起きた能登半島地震、、、被災していない方でも、被災地にゆかりのある方、近しい間柄の人が被災してしまった方、震災報道を見て我がことのように心を痛めている方 などなど、震災情報強い関心を持って見ている方が大勢いらっしゃると思いますが、、、被災していない方でも PTSDになってしまうことがありますので、心の安全距離意識しながら、情報に接していただければと思っています