巌鬼山神社(がんきさんじんじゃ)は、岩木山の頂の一つ 巌鬼山を望む里「十腰内(とこしない)」にあります。 796年に創建され、津軽の山岳信仰の発祥の地といわれているなど、荘厳な杉の森の中にある神社です。
本殿脇には、樹齢千年以上、高さ 41mを超える巨大な大杉が 2本あり、県の天然記念物に指定されているのですが、、、思わず、ほあぁ~と 声にならない声が出てしまったくらい、圧倒されました。
ちなみに、杉の森の中のため 曇天だと日中でも薄暗く、着いた時には 1組いたのですが、誰もいなくなると辺りは静まり返ってしまい、、、数日前に 熊が出没したこともあって、終始ドキドキ、ハラハラしたお参りとなってしまいました^^;
【十腰内(とこしない)の由来 ~鬼伝説~】
巌鬼山のふもと一帯の地域を十腰内と言いますが、、、その昔、美しい娘を持つ鍛冶屋が、「一晩に十腰(10本)の刀を打てた者に娘をやろう」と言ったところ、見知らぬ若者がやってきて挑戦しました。 若者は、決して中を覗かぬよう伝えましたが、娘が不安に思って覗き見ると、真っ赤な恐ろしい鬼が刀を打っていました。
約束の朝、十腰打てたと若者が鍛冶場から出てきて、鍛冶屋と共に一腰、二腰と数えていったところ 九腰しかなく、、、鬼は「十腰ない(とこしない)、十腰ない(とこしない)」と叫びながら、山に駆けていきました。 娘は、このままでは鬼に嫁ぐことになってしまうと、明け方、隙を窺って一腰盗み出していたのでした。 この刀は「鬼王丸」と銘打たれ、巌鬼山神社に奉納されました。