例えば、この10年来の経緯(→ 生々しい話になるのでここでは省略) により、アパレル側で 「ものづくり」 が分かる人、見ただけでその良さを判断できる人は随分と少なくなっています。 製造側は、そうしたことに薄々気付いているのに、より分かりやすく伝える努力を本気でしていません。 その一方で、アパレル側は、勉強して少しでも分かろうとする努力をしないし、分からないから教えてくださいとも言いません。

その背景には、質はそれほど良くないものでも、組み合わせや着こなし等で 良質なものに見せる(見える) というのもファッションの楽しさ、、、製造側は、そうした消費者の気持ちを理解しないまま 「ものづくり」 を主張することで、アパレル側の求めているものと隔たりが生じていったという側面があります。 その一方で、アパレル側はいつまでも小手先の着こなしに傾倒し、「ものづくり」 の面からの提案をしなかったことで、消費者にものの良さを知る・学ぶ機会を提供してこなかったという側面があります。

それぞれの立場では正しいことをしてきたのでしょうが、全体で考えると大きな過ちにつながっている、、、部分最適を志向して全体最適を志向していないことで、業界全体の衰退を招いている、、、そうしたことが実感できます。

(つづく)