(中編からのつづき)

大槌町でも中々復興が進まず、住民からは落胆や焦りの色がうかがえました。

例えば、1年前に訪問した 「復興商店街」 は、ボランティアや復興ツアー、工事関係者など多くの人で賑わっていました。 しかし、今回訪問すると人影は少なく、閉店や移転で空き店舗もあるような 寂しい状態に様変わりしていました。

仮設住宅から離れた立地、交通手段もないとなれば 地元の人は中々来れず、震災から 3年も経つと町外から訪れる人が少なくなるのも必然。 さらに、大きなスーパーができたり、高齢の事業者も多いですから お店の状況も変わってくるでしょう。

復興は、先を見据えた中長期的な視点で行わなければ、いずれ手詰まりとなってしまいます。 あちらこちらの地域で起きている共通の課題といえますね。

また、今回 特に多く聴いた声として、震災から 3年経つのに復興の方向性も見えず、3年を機に風化していくことへの焦り、そして、それ以上に 東京オリンピック開催決定への危機感でした。

これから予算も付きにくくなり、工事関係者も資材も一気に東京に流れることで ますます復興が鈍化する。 そして、鈍化すれば 他地域に移転する人が更に増え、残った人の気力も更に低下する。 復興がますます遠のく 「負のスパイラル」 が容易に想像できるため、危機感を募らせています。

最近、「震災から 3年」 ということでテレビなどでも多く取り上げられるようになりましたが、、、復興が進まないどころか、全く手つかずの地域もあることを知っていただきたいと思います。 個人的には、国や東京都には、東京オリンピック成功の前提条件として、被災地の復興を掲げていただきたいと思っています。