中国の故事成語に、「虎穴に入らずんば虎子を得ず」というものがあります。 多くの人が知っていると思いますが、危険を冒さなければ大きな成功は得られないことを伝えています。

虎の子を得ようと思えば、虎の住処としている穴の中に入らなければなりません。 しかし同時に、親虎に襲われるかもしれないという危険も覚悟しなければなりません。 つまり、リターン(成果)とリスク(危険)は背中合わせということが言えます。

 

さて、先日の「販売分析の進め方と販売計画の立て方」の研修ですが、実は、私の中では新しい講義のやり方にトライしていました。 講義やセミナーというような大勢を前にして何かを伝える場合(・・・今回は65名でした)、いかに参加者を引き付けるか?ということが成功するかどうかの重要な要素になってきます。

「自分で言うのも何ですが、大変評判の良い内容です。」

・・・講義の冒頭、私が発した言葉です。 以前参加された受講生の声を添えて、くどいくらいに評判の良さを伝えました(笑)

それなら聴いてみようと興味を持って聴く者、いきなり自慢する変わった講師と面白がる者、つまらない講義ならただじゃおかないと挑戦的に聴く者など、反応は様々にあったと思いますが、いずれも引き付けれたことに変わりありません。 つまり、引き付けるというリターンは十分に得られた状態といえます。 しかし同時に、自分でハードルを高くしたというハンデを抱えながらの講義となった冒頭の一幕でありました。

今回私は、期待感を上げて引き付けて、それでも尚その期待を上回る・・・そんな風な講義ができたらと、新しいやり方にトライしていたのでした。 結果は、、、受講生より「自分で上げたハードルを越えましたね」というメッセージをいただいたように、ある程度上手くできたのかなと思っています。 ただ、当然のことながら、全員がそう思っているわけではありませんし、私自身反省する部分がいくつもありましたので、またチャンスをいただけたなら、更に完成度を高めて臨みたいと思っています。

リターンとリスクを天秤にかけながら新しいことにトライし、更なる高い成果に導いていく・・・経営にも通じるところがありますね。