日本の産業というのか、日本人にはコスト削減の意識が非常に強く刷り込まれているように感じます。

私が社会に出たバブルが完全に崩壊した頃、高いものは売れなくなり、少しでも安いもの、安くて上質なもの・・・が求められるようになりました。 「安い」 ということが一番のキーワードになる中で 経営を成り立たせるには、原価(仕入) や経費を抑えることが至上命題に。

そこから、様々な角度でコスト削減に取り組むようになり、いかにヒト・モノ・カネを安く調達し、いかにそれらを組み合わせ 安く提供できるか多様な方策が生み出され、、、いつの頃からか コスト削減能力が、企業(我が国産業) の競争力の源泉となっていったように感じます。

一方で、商品そのものの価値が向上することはなく、コスト削減のあおりで寧ろ価値は低下する方向に、、、「昔のものは長く使えたよね」 はその典型といえますね。 つまり、コスト削減に偏り過ぎた結果、付加価値向上がなされない(軽視される) 時代が長く続きました。

例えば、アパレル業界でいえば、いかに安く、効率的に売れる商品を投入していくかに力点が置かれ、いかに面白いもの、他社にはないものを生み出していくかは軽視されるようになっていった、、、まだ若かりし頃ですが、MD主導の体制に変わり、デザイナーは不要と切りまくっていた状況も実際に目の当たりにしてきました。。。

挙句の果てに、国内で更なるコスト削減は無理となると、製造(仕入) 拠点をアジア圏に移し、、、それが奏功した反面、国内のモノづくり能力そのものを失う状況に。。。

(つづく)