私が中長期的に支援する場合、支援先の皆さまには必ず勉強をしてもらっています。 これは以前、 「現場主義の弊害」 としてお伝えしましたが、原理原則や枠組みというような 「知識の背景」 を持って現場に目を向けることが重要と考えているからです。

一昨日も支援先で 2時間ほど、『 生産性を向上させる 』 ためのセミナーを行いました。

その中で伝えたこと。 例えば、「それは問題だ」 とか 「問題解決を図る」 など、私たちは 「問題」 という言葉を日常的に使っています。 しかし、「問題ってどのような意味ですか?」 と改めて問われると、中々説明ができないものです。

国語辞典を引くと、「問題とは、困った事柄であり 解決すべき事柄」  というようなニュアンスのことが書かれていました。 ・・・言葉の意味としては合っているけれども、経営改善、現場改善の意味としては 残念ながら不十分です。

私が考える 「問題」 とは、、、①現在困っているもの(結果型)、②そのままにしておくと今後困ることが予見されるもの(前兆型)、③現在困っていないものであるが 解決すれば今後もっと良くなるもの(追求型) ・・・ このような 3つの枠組みで問題を捉えるよう伝えています。

問題解決の進め方としては、、、①②で守りを固め、③で攻めに転ずる・・・前者を守りの問題解決、後者を攻めの問題解決と呼んでいます(→私の定義です)。 サッカーに例えると、最終ラインは絶対に抜かせず(①)、中盤プレスで相手の攻撃の芽を早めに摘み(②)、攻撃に転じる(③) ・・・というところでしょうか。

このような枠組みを持っていないと、多くは①にしか目が向かず、特に②を放置しておくことで ①が解決されてもすぐに②が表面化し、新たな①が生まれ続けることになります。 これではいつまでたっても生産性が向上しません(安定しません)。

しかし、②を含めた守りの問題解決に取り組み、攻めの問題解決にまで着手できる状態になると、飛躍的に生産性が向上する(高い位置で安定する) ようになるのです。

皆さまも ぜひ 「知識の背景」 を持って 現場改善に取り組みましょう!