経験が邪魔をする・・・

私は、中小企業診断士として仕事をして 早 10年目。 いつの頃からか、支援の際に心がけていることがあります。 それは、過去の支援経験に照らし合わせて(・・・それのみで) 判断しないこと。 ・・・経験を重ねていくほどに、引き出し(支援経験) は増えていきます。 そうした過去の経験に当てはめることで判断スピードは速まり、一見正しく思えるような答えを導き出せるようだけど、、、これは物凄く危険なこと。

たとえ同じ企業であっても、時期が違えば 支援は全く別モノです。 その時々で企業を取り巻く環境は変わるし、1つ条件が変わっただけでも 事実の捉え方は変わってくるもの。 すると、問題の捉え方は変わるし、問題が変われば課題も変わる。 たとえ同じ課題となっても 取り組む優先順位は違うもの。 ・・・企業支援はナマ物・生き物で、表面的には同じように見えても 中身は全くの別物といえます。 

それにも関わらず、同じような企業の支援経験を表面的に当てはめ、さもそれが正解のような提言をする ・・・ そのような支援の仕方は、危険な、もっといえば、随分とおこがましい支援の仕方だなと思っています。

先月から あちらこちらに出張して研修をしていますが、演習の取り組み姿勢を見ると 傾向が見えてきます。 支援経験が相応にあり、かつ、その経験に自信を持っている者ほど、過去の支援経験から導いた答えを当てはめ、決め打ちの提案をします。 一見正しい提案のようだけど、事例企業にとって最適なものとはいえず、また、事実の把握も甘いことから提案も漠然としたものとなり、事業者が聴いてもやらないだろうというのが正直な評価。

一方で、支援経験の浅い者や支援経験が長くとも謙虚な者は、事例企業と正面から向き合い、学んだ支援手順や手法を丁寧に用いることで 多面的で数多くの解決策を導き出し、かつ、その中から優先順位をつけて提案します。 なぜそれに取り組まなければならないか納得感があり、多様な提案の中から事業者の現状を十分に考えて取り組みやすいものを伝えることができるため、事業者が聴けばやってみようと思うだろうというのが率直な感想。

こうした研修の様子を通して、きっと前者のような支援が多く 後者のような支援が少ない現状が、支援成果に直結している(・・・あまり支援になっていない) のだろうと実感します。 支援のための技術はいくらでも教えられますが、事業者と向き合う姿勢(心) についてはどうにも ・・・ そこが中小企業・小規模事業者支援の限界点なのかと思いながらも、1人でも多くの支援者が、過去の経験に目を向けるのではなく、目の前の事業者と正面から向き合う支援をしていただけることを願っています。


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