昨日の支援のこと、工場長より、「この数ヶ月、受注単価を上げるよう細やかに交渉してきたけれど、思うように上がっていない」 との報告がありました。 例えば、昨年の平均受注単価が @98に対し、今期は @100を努力目標として取り組んできた結果が @98.5、、、細やかに工夫したけれど 50銭しか上がっていない ・・・という感じです。 (← 実際の数値とは異なります)
原因はいくつか考えられるのですが、、、まずは、「アベレージを維持することの難しさ」 を理解してもらいました。
まず、@100を維持するのに最も分かりやすいのが、どのような内容の受注であっても 全て @100で受注するという方法、、、当然のことながら、1年後の最終的な平均受注単価も @100となります。
しかし、受注内容によって、数量や納期、難易度なども異なるため、実際には全て @100 ということは無理な話で、、、ある時は @95 で受注したり、またある時は @102 で受注したりなど、様々な受注をこなしながら 最終的に @100 で着地することを目指していきます。 ・・・例えば、1000個を @100、1000個を @96 で受注したとします。 この時の平均単価は @98 ですが、、、挽回するには、1000個を@104、あるいは、2000個を@102、はたまた、4000個を@101円 などの受注が必要となります。
これは、1つの受注の負け分を取り戻す例ですが、実際には何十、何百の受注の中で、現在の平均受注単価を意識しながら次の受注単価を決める必要がありますので、、、感覚でやっていたのでは、最終的には @100 を下回ることになってしまいます(→ そもそも値下げ圧力が強い状況ですので・・・)。
また、注意しなければならないのが、受注数量を確保するために、いわゆる 「お付き合い」 で受けた時の単価です。
例えば、「お付き合い」 で 3000個を@90円 で受けたとします。 これを挽回するには、3000個を@110 で受注しなければなりませんが、現実的にはそんな高い単価の仕事はあり得ない、、、仮に、この負け分を @101 で地道に挽回しようとすると、その 10倍の受注数量 30000個を獲得しなければなりませんが、消費低迷の時代 これもまた難しいです・・・。
つまり、「お付き合い」 によって受注数量の確保にはつながりますが、平均受注単価を上げるという観点ではマイナスの効果、、、もっといえば、挽回できないくらいのダメージを被ることがあるということも意識しておく必要があります。
アベレージを維持するには、、、①現在の状況を常に数値で把握しながら、将来の受注単価を検討していくこと、そして、②大きく負けると挽回は難しいため、大きく負けないこと(→ 目標単価から大きく下げた単価で受注しないこと) ・・・こうしたことを意識することが必要となります。
値下げ圧力の強い中、受注数量を維持しながら 平均受注単価を上げていくことは中々難しいことではありますが、、、引き続き取り組みを進めていきたいと思います^^