山形県酒田市に来ております。 私は地方出張の際には、なるべく時間を作って、その地域の観光名所や町並みを見て歩くようにしています。 元々博物館などが大好きということもあるのですが、その地域の文化・風習に触れ、地域の成り立ちを知ることで、その地域の人々の根底にある考え方などを理解するようにしています(感覚的なものなので、感じたことが正解というわけでもないのですが・・・)。

さて、本日は天気も良く、酒田は随分と歩き周っていたため、思い立ってお隣の鶴岡市に行ってきました。 まずは観光案内所で観光マップをいただき、致道博物館→大宝館→庄内藩校致道館→旧風間家住宅丙申堂→鶴岡カトリック教会→銀座通り→山王通り→S-MALL・・・3時間ほどでしたが、駆け足で周ったので色々見ることができました。

その中で、今回の一番の収穫は、旧風間家住宅丙申堂にある金庫です。 ガイドのおじさまの解説に感動して、写真を撮らせていただきました^^

さて、この写真のどちらかはヨーロッパ製で、どちらかは日本製なのですが、どちらがどちらなのか判りますか? 暗い蔵の中での写真のためよく見えないと思いますので、もったいつけずに正解を・・・答えは、左側がヨーロッパ製、右側が日本製です。 ポイントは3つ!①足の有無、②取っ手の向き、③鍵の開け方・・・ここからは、完全にガイドのおじさまの受け売りになりますm(_ _)m

元々文明の利器は、ヨーロッパが先行して、日本はそれを改良するという流れなのですが、金庫においても同じようです。 鉄の塊のような物凄い重さの金庫。 設置には大変な苦労を要しました。 そこで、動かしやすいようにキャスターを付けました。 開け閉めの度に鉄製の扉を動かすのは一苦労です。 そこで、腕の力を伝えやすいよう、横に付いている取っ手を縦にしました(・・・これは、外ひじになるからですね。 9/17の世界一受けたい授業でやっていました^^)。 最後に、金庫の生命線とも言うべき鍵の部分ですが、日本人は鍵がなくても開け閉めができるよう、ダイヤル式を採用しました。 ヨーロッパでは鍵が必要なため、セキュリティのため鍵穴を5つも6つも付ける必要があったり、鍵の奪い合いによる争いが耐えなかったりと大変だったそうです。 鍵の必要のない日本では、そうした争いがほとんど起きなかったそうです。

さらに、右側の写真の左の扉が開いた方の金庫ですが、これは片側の扉に3個のダイヤル式の鍵が付けていて、しかも、両扉のダイヤルを同時に解除しないと開かない構造になっているのだそうです。 そして、左右の扉で別々の人がダイヤルを管理することで、セキュリティをさらに厳重にするとともに、不正が起きないような仕組みも考えていたそうです。

金庫自体の改良に留まらず、金庫の運用の仕組みまでも作るなんて、日本人の知恵ってすごいですね!