アパレル業界とは切り離せないクリーニング業界。 アパレル業界はよりお客様に喜んでいただこうと目新しい商品を提供しますが、その反面、クリーニング店にとっては取り扱いがどんどん難しくなっていきます。

そこで、トラブルを避けるために、少しでも難しい商品は受け付けない、ノークレームなら対応するというクリーニング店が非常に多くなっていますが、それが利用者からの二次的な苦情となったり、潜在的な不満を抱えたまま利用するという負の連鎖を生み出す一因となっています。

「ゴワゴワになっても良ければやりますけど。」

これは、襟裏に合皮が張ってあるデザインのジャケットをクリーニング店に出した際に私が受けた言葉です。 どこの世界に、ゴワゴワになっても良いからクリーニングして欲しいと言う人がいるでしょうか(笑) しかも、それを半笑いで言わないでください・・・(苦笑)

このお店は、多摩地域で大きく展開している某クリーニングチェーンです。 こうした大きな会社でも、1店1店を見ればこのような応対をしているというのが実情です。 厳しい言い方かもしれませんが、この程度の商品に対応できない技術力のなさ、それに相応しい従業員のカウンター応対(教育レベル)・・・というのがこの会社の評価になります。

以前、クリーニング店を調査した際の利用者の声を見ても、「技術力」 と 「従業員応対」 については、大変多くの苦情や要望が寄せられています。 残念なことに、私が受けたような言葉は、珍しくも何ともないというのが実情なのです。

利用者のクリーニング店離れは、「手洗い可の商品が増えたから」 「洗剤や洗濯機の性能が良くなったから」 だけではありません。 なぜクリーニング店離れが起きているのか、足元に目を落として考えてみることが必要ではないでしょうか。

 

【追記】 利用者の立場にたって応対しているクリーニング店が数多くあることも事実です。 利用者としての感想、仕事での感想両方含めて言えば、改善努力がうかがえるお店(一度利用すれば繰り返し利用したくなるお店)と、従来のままのお店(不満を抱えたまま利用し、何かの拍子に利用しなくなるお店) の二極化が進んでいるように感じています。