まずは言葉の意味から。

【持ちつ持たれつ】 互いに助け合うさま。 相互に助けたり助けられたりするさま。 (大辞泉)  ・・・掘り下げて考えてみると、、、割り切れば 「損得勘定」、つながりを大切に思えば 「義理人情」、行き過ぎれば 「相互依存」 ・・・ なんとも奥深い意味が込められた 日本人らしい言葉 のように感じます。

さて、支援先のお話しです。 こちらの経営者は、頼まれれば 何でも引き受けてしまうお人柄。 地域活動、業界団体の活動、支援機関の応対などなど ・・・ あれもこれもで もう会社経営そっちのけなのです(苦笑)

問題なのは、「経営が危機的状態に陥っているにもかかわらずに」 ということ。 以前のように 右肩上がりの時代であれば 経営そっちのけでも問題なかったのでしょうが、、、あるとき、社員からも 私からも 「そんなことにかまけている場合じゃないでしょ!」 と強烈な批判を受けて、最低限の役以外は返上していただいたのです。

しかし、そうした癖というのか性格は治るものでもなく またやってしまいました ・・・ 支援機関に頼まれて ある展示会に出てしまったのです・・・。

これは、経営者の自覚の問題も大きいと思いますが、支援機関の担当者にもちょっと問題が、、、「毎月の資金繰りが綱渡りで 破綻懸念の出ている企業に対して、そういう話もってくるなよ! 自分の都合で利用するなよ! 立場の濫用だろ! (・・・心の声が漏れてしまいました・笑)」

なぜそこまで憤慨しているのかというと、、、その展示会の主旨からすると、この会社にとってほとんど出展の価値はなく、端的に言えば 出展者の数合わせで呼ばれているのがミエミエだからです。 ・・・案の定、意味がなかったとのこと。 例えるなら、お昼休みにお弁当を買いに来た人に 精肉や鮮魚を勧めるような状態? それくらい 来場者のニーズとアンマッチだったのです。

準備期間も含めて、ここに費やした労力を 企画や営業に使えていたら、最低でも働きづめの社員の休息に使ってもらえたら・・・残念でなりません。 そして何よりも、「担当者の相手を利用する気持ち ×  経営者の義理人情と裏読みする力のなさ」 という構図が見えて、とても悲しい気持ちになりました。

お付き合いは大切というのを前提に、でも、受ける前に 「今の自分には、手を貸すだけの余力はあるのか?(会社=社員に対する配慮)」、一方でお願いする方も 「この人には、手を貸すだけの余力があるのか?(相手に対する配慮)」 という 「思いやりの気持ちを大前提にした 持ちつ持たれつの関係」 を築いていただきたいなと思っています。