ホームページを開設したこともあり、モバイル化を進めようと最近家電量販店をうろついています。

かれこれ17-18年前に大手の家電量販店に行った時のことです。 誰も接客(というか売り込み)にこないなあと不思議に思っていたところ、「当店はお客様にゆっくり選んでいただくために、こちらからお声掛けはいたしません」 といった張り紙を見つけ、とても新鮮に感じたことを覚えています。

そして、つい先日、同じ家電量販店(別の店舗です)での出来事です。 パソコン売場を歩いていると、「タブレットお探しですか?それならこれが今出たばかりの一番のお勧めで・・・」 突然進路を遮ってのあまりに一方的な説明に引いてしまいました。 もちろん、以前見かけた張り紙はありませんでしたが、行く先々で同じように声を掛けられ、結局何も見れずに逃げるように出てきてしまいました。

おそらく、家電量販店の社員やバイト、メーカーからの販売スタッフなどが入り乱れているのだと思いますが、価格が随分と下落したパソコンに対し、あれだけの人を投入して採算が合うのかな? しかも、あそこでは絶対買うものか!というほどの悪い印象まで与えて・・・^^; それはさておき、費用対効果が合うのかなあとふと心配になってしまいました(給与形態も分からないので何とも言えませんが)。

 

経営の視点でいうと、接客はタダではありません。 販売員の1時間の接客には、1時間分の人件費がかかっています。 沢山の人に声をかけることや丁寧に説明することはもちろん大切なことですが、コストに見合うだけの利益を稼いでいなければ、コスト倒れになってしまうことも忘れてはなりません。

最近、私が支援している先に、人時生産性(にんじせいさんせい)の向上に取り組んでいる企業があります。 人時生産性とは、従業員1人が1時間に、どれくらいの粗利益をあげているかを表すものです。 例えば、5人が8時間で150万円粗利を稼ぐチーム(人時生産性=3万7千5百円)より、3人が10時間で120万円粗利を稼ぐチーム(人時生産性=4万円)の方が、生産性が高いといえます。

自分の1時間の働きがどのような成果(粗利)を生んでいるかということを社員一人ひとりが意識することで、組織としての収益力が飛躍的に高まっていきます。 まずは、粗利につながっている時間はどれくらいあるのか? 逆に、粗利につながっていない時間はどれくらいあるのか? 働いている時間を分類するところから始めてみましょう。

自分が思っているほど、粗利につながっている時間は多くないものですよ。