今週末、中小企業診断士養成課程・第18期生は、4回目の実習を終了しました。

当班の実習先では、社長様や経営幹部の皆さまにも喜んでいただけた様子で、報告会終了後、「昼食を食べていってください」 と お昼に合わせてわざわざお店でパンとケーキを作ってくださいました♪ すごく嬉しかったです~♪♪

 

さて、18期の研修生活も残り1ヶ月、また、19期生も入学を控えていますので、そうした方々に向けて、恒例のこっそりメッセージを残しておきたいと思います。

まず、19期生のために、ちょっとだけ概要の説明をします。

中小企業大学校の養成課程では、5回の実習を柱に研修を進めていきます。 その内訳は、製造業現場調査①→戦略策定③、流通業現場調査②→戦略策定④、テーマ未定の問題解決型実習⑤  ・・・ つまり、3 社様で行う 5 回の実習を柱に、中小企業診断士に必要な診断技能を身に付けていくことになります。

そして、この実習での取り組み意識の違いによって、「伸びる人」 と 「伸びない人」 に分かれていくことになります。

それは、一生懸命取り組むこと・・・などと思っているならば大間違い。 一生懸命取り組むのは当たり前の話で、重要なのは 「再現性」 を意識して取り組んでいるのかどうか・・・それが、特に卒業後の技能の差となって表れてきます。

例えば、冒頭紹介しました報告会。 実習中は 様々な調査や検討を重ね、睡眠もままならない状態で何とか報告書をまとめあげ、プレゼンを行い報告会は終了 ・・・ ここで大きな達成感を得ることになります。

しかし、本当の山場は、実習一連の流れを振り返り、確実な知識・ノウハウの定着を図るために実施する 「振り返り日」 にあります。 ・・・それを理解しているかどうか、つまり、報告会をゴールと感じてそこで力を抜いた者と、振り返り日をゴールとして最後まで力を抜かずに取り組んだ者とでは、その後 大きな差となって表れてくるのです。

これは、私が研修でよく話す 「フロー」 と 「ストック」 の違いに他なりません。

例えば、一生懸命取り組むというのは 「フロー」 の仕事の仕方 ・・・ これは、残念ながら、少し時間が経てば 思い出にしかなりません。 経験した事柄に 別の視点や付加情報を盛り込み、体系的に整理して理解する学習時間を持ってこそ、「再現性のある知識・ノウハウ」 を得ることができます。

つまり、フローのストック化への意識の違いが 「伸びる人」 と 「伸びない人」 の違いのように感じています。

実習が終われば、また次の演習や実習 と ドンドン進まなければなりません。 後でやろうと思っても中々難しいのが実情です。 ですから、1つの演習や実習が終わったら確実にストック化を図る = 復習することが求められているのです。

例えば、実習で、あらゆることが相応のレベルで盛り込まれた完璧と言える診断報告書が作成できたとして、それを班作業ではなく 1人で再現することはできますか? 完璧でないとしたならば、何が不足しているのか、どのレベルが求められていたのか、そして、具体的にどうすれば良かったのか理解していますか?

ゴールは、報告書作成でも報告会でもありません。 ゴールは、そこで得られた知識・ノウハウを用いて 1 人で再現できること、さらに言えば、その知識・ノウハウを活用して、別の課題を解決できるようになることなのです。

それに気付いている人は、地道にこっそりと取り組んでいます。 集団生活による安心感に流されずに、「フローのストック化」 に取り組んでいただきたいと願っています。

後編に続く・・・。