もう 15年とか 20年とか前のこと。 料理番組で話していたシェフの言葉を、時折、感慨深く思い出すことがあります。

・・・料理というのは、これだけ料理番組もあるしレシピ本もあるし、誰でも美味しく作れるもの。 それなのにイマイチ・美味しくない・・・という声を多く耳にするが、それは、レシピ通りに作っていないから。

大さじ一杯と書かれているのに、それくらい分かるからと目分量。 カップ一杯と書かれているのに、面倒だからと目分量。 別に同じでしょと手順を守らない。 もう少し多い方がコクが出るだろうなどと自己流のアレンジ。 ・・・この通りやれば 誰でも美味しくできるという方法があるのに、その通りにやらないのだから、イマイチ・美味しくないというのは当然の結果。 ・・・というもの。

「正にそれ!」 といつも思うのが、分析や計画策定の手法を教える場面。

例えば、販売分析を行うセミナーや研修で、私は、ワークシートを使って、実際に計算してもらいながら分析手法を教えています。 ワークシートには、①②③は単独で計算できるけど、④は②の結果が必要、⑤は③④の結果が必要というように、先に計算していないと計算できない項目もあるため、必ず番号順に計算するよう伝えるのですが、、、「④が計算できない!」 などの質問や、「⑤が計算できないんです…」 と悩む人が、必ず 1-2割出てくるのです。

「④の前に②は計算しました?」 「⑤は④の計算結果が必用ですよ」 ・・・そう言うと、「あ~」 という返答。 本音としては、「番号順に!って何度も言ってるよね!?」 ですが・・・(苦笑)

番号順に、計算ミスしないように一つひとつ進めれば、全員が完成できるもの。 ・・・計算ミスはまあ仕方ないとして、なぜか番号順に進めないことで 完成できない人が 必ず一定割合いる、、、だから、どれだけ丁寧に教えた料理番組や料理本があっても、イマイチ・美味しくない となる人も 必ず一定割合いるのだろう・・・とシェフの言葉を思い出すのでした。

(つづく)