東京は朝から雨、とても寒い一日でした。

雨が降ると、よく思うことがあります。 それは、小売店や飲食店の支援をしているときに聞く、「雨だからお客様が来ない」 「雨だから売り上げが伸びない」 といった言葉です。

たしかに、雨が客足を遠ざけることは理解できます。 その日の売り上げに影響が出ることもあるでしょう。 ただ、売上を伸ばしているお店は、雨が降っても行こうと思わせるような努力をしているものです。 経営支援の経験から、「雨」を言い訳にするお店の多くは、得てしてそうでない日も売上は振るわない・・・というのが実際のところなのだと感じています。

 

★ お客様の吸引力 = 魅力度 ÷ 抵抗力

これは、商圏を考える際に用いる理論の一つです。 魅力度とは、例えば、品揃え、品質、価格、接客、サービスなど、お客様がこのお店に感じている魅力のことです。 抵抗力とは、お店までの距離、混雑度合い、閉店時間など、お客様が行くのをためらうようなことです。

仮に、吸引力3の場合はそのお店に行きたい、吸引力2の場合はあまり行きたくないと感じるとします。 魅力度=20、抵抗力=5のお店では、吸引力=4となります。 そのお店に行きたいと思う状態です。  しかし、雨が降って抵抗力=10となると、吸引力=20÷10=2となります。 これが、雨で客足が遠ざかっている状態です。 そこで、雨の日の特別セールなどをすることで魅力度=25とすると、吸引力=25÷10=2.5となります。 これが、雨でも行きたいと思う人がいる状態です。 つまり、雨の影響を少なくすることができた状態です。

また、日頃から様々な努力をして魅力度=30にすると、吸引力=30÷5=6、雨が降っても吸引力=30÷10=3となるため、雨の日に特別なことをしなくても、相当程度のお客様に来ていただけることになります。 数字が入ると少し難しく感じるかもしれませんが、簡単な四則演算ですから一つひとつ考えていただければと思います。

 

気象庁の統計データを調べてみた所、東京の2010年の降雨(雪)日数は、少しでも雨(雪)が降った日数は193日、1mm以上降った日数に絞ると111日、10mm以上降った日数に絞ると42日となります。 2009年を調べてみても大きな差は見られませんでした。 毎年一定の日数は必ず降るのですから、日頃から、雨だけど行きたいと思わせる魅力の高いお店作り・・・を心がけていただければと思います。