私は大学を卒業してから約12年、アパレル企業に勤めていました。 入社当時はバブルの余韻もあり、大所帯の中で少しのんびりとした雰囲気があったように思います。

しかし、2年目になると状況は一変・・・私のいた部署では、毎年10人ほど新人配属があったのがその年は配属なし。 すると、これまで引き継がれてきた新人業務を引き継ぐ相手がおらず、新人業務を継続しつつ2年目がやる業務をこなさなければなりませんでした。

そして、3年目になっても状況は変わらず、その年も新人配属なし。 当然のことながら、2年目の業務も新人業務も継続しつつ、3年目がやらなければならない業務をこなさなければなりませんでした。 こうなると、異動か退職で足抜けするか、自身の処理能力をあげて全てこなすかのどちらかしかありません(苦笑)

私は、仕事は 「皿回し」 だと思っています。

1番の皿を回しながら、2番の皿も回す。 3番の小皿を回した瞬間に回転の落ちてきた1番の皿に勢いをつける。 1-3番が安定したところで、4番の大皿を回す。 こうして皿の数を増やしていく中で、楕円や四角など様々な形の皿も登場する。 大小様々な形の皿を落とすことなく回し続ける・・・過酷さを増した入社3年目の頃から、仕事に対してこのようなイメージを持つようになっていました。

簡単なものから難易度の高いものまで、あれもこれもこなさなければならず、ややもするとパニックに陥りそうになりますが、そのような時はトイレで目をつむり、あの皿を触ったらこの皿を触って、新しくこの皿を回して・・・とイメージすることで落ち着きを取り戻していました。

そして、そのうちに、どの皿をどんな順番でどんな風に回すか先にプランを考えてから取りかかり、皿が追加される度にプランを修正していく・・・皿を回す前にイメージするようになると、こなす業務の質・量が飛躍的に向上していきました。

自分でいうのもなんですが、私はアパレルの生産管理者として優秀だったと思います(笑)

それは、1日の終わりには翌日やること、1日の始まりには今日やること、週の始まりには今週と来週やること、シーズンの始まる前にはそのシーズンを通してやること、追加や修正があった際の他の業務への影響など・・・様々な場面でイメトレを欠かさなかったからだと思っています。

例えば、業態にもよりますが、今頃は、12SS追加生産納期管理、12盛夏本生産納期管理、12現物展サンプル進捗管理と原料背景・メーカーライン確認、12AW原料発注・パターン進捗管理、13SS企画準備・・・そこに当たり前のように起きるトラブルへの対応、さらに、12SS以前の修理・お申し出対応。 アパレルの生産管理は、時間軸の違う様々な事柄を確実に管理・対応しなくてはならないため、高い皿回し能力が求められるのです。

仕事に追われて困っている方は、イメージトレーニングを取り入れていただくと、仕事が楽になると思いますよ。