平成26年度 中小企業支援担当者研修
「経営診断基礎研修(机上実習)」

日時/   平成26年9月8日(月)~9月12(金)
主催/   中小企業大学校 仙台校

 

仙台校で受講していた皆さま、長期に渡る研修おつかれ様でした。 社会人になると、これだけ長い時間 寝食を共にする生活はめったにないでしょうから、大変貴重な機会となったのではないでしょうか。

これから、この研修で学んだことを現場で活かしていくことになりますが、いくつか気を付けていただきたいことがあります。

まず、「基本を疎かにしない」 ということ。 机上実習の様子をみると、基本に忠実にというよりは 基本をかいつまんで進めていたように思います。 それは、家を建てるときに、きちんと基礎工事をした部分と、セメントの量が少ない部分や生乾きのままで基礎工事を終えた部分とが混在している状態。 そこに家を建てたらどうなるでしょうか?  2-3日目に指摘したのは正にその部分 ・・・ 基礎工事が不十分な上に立派な建物を造っても家主が困るのと同じで、基本を疎かにして支援をしても事業主が困ることになります。

次に、「現状把握が変われば その後の展開も変わる」 ということ。 たった 1つ条件が加わっただけで展開が変わる場合があるし、現状把握次第で事業者をミスリードする懸念もあるということ。 例えば、あなたの主治医が、検査結果もろくに見ずに投薬・手術しようとしていたらどう思いますか? ・・・ 中途半端な現状把握で支援する(提案する) というのは、そうした恐ろしい状況と同じこと。 また、ここ数年、クロスSWOTやら BSCやら ブルーオーシャン戦略やら、、、やたらとカッコイイことをさせようとする風潮がありますが、それは確実に現状が把握されていることが大前提。 現状把握を疎かにした戦略は役に立たないどころか、支援者の自己満足か事業者をミスリードする害にしかなりません。

最後に、「もっと事業者の気持ちに寄り添っていただきたい」 ということ。 あれができていない、これはダメ・・・弱みを挙げること事態は良いのですが、、、なぜそうなっているのか、なぜそうなってしまったのかにも目を向けてください。 多くの場合、やむを得ない事情があったりするものです ・・・ そうした時に、ただ問題を指摘したり、これまでの経緯を踏まえずに改善提案しては、おそらく信頼関係を築くことはできないでしょう。 例えば、配達をやめた経緯があることが記されているのだから、配達というアクションプランを挙げるならば、以前の二の舞にならない手法の提案も必要になります。 何気ない問題の指摘や改善提案が、事業者を傷つける可能性があるということも覚えておいていただければと思います。

数日前のコラムにも書きましたが、おそらく、この研修が現場では役に立たないと言う受講者もいることでしょう。 ただ、それは 多くの場合、受講者の理解が表面的であったり、基本を理解せずに実践した結果だと思っています。 (前述のように、現状把握できていないのに戦略提案しても、事業者からは 「使えない」 と言われてしまいますよね)  まずは、基本に忠実に丁寧に現状把握すること、、、そうしたプロセスが正しければ、その後の結果(戦略やアクションプラン) は自然と形作られていくものです。

どれだけ経験を重ねても、基本を疎かにせず、事業者に寄り添うことのできる指導員として活躍されてください。 またどこかでお会いできるのを楽しみにしております!! (ちなみに、11-12月に 指導員研修のため 青森市・盛岡市・山形市にお伺いします)

 

(追伸) お名刺をいただいた方には、店舗施設のチェック表をお送りします。 いただいていない方で欲しいという方は、ホームページ右上にあるメールアドレスまでご連絡いただければお送りいたします。