JR九州で人気の豪華寝台列車の 「ななつ星」 が値上げするのだとか。 それでも予約殺到で 中々チケットは取れないことでしょう。 景気低迷の折、低価格志向が再燃する中、高付加価値志向の成功事例といえますね。

さて、販売価格を設定する際には、考慮しておかなければならないことが 3つあります。 それは、①原価・粗利益、②市場価格、③消費動向 です。

まず、売れても利益が残らなければ経営は成り立ちませんので、自社の収益構造を冷静に考えることが求められます。 次に、その価格で果たして売れるのか? という視点で市場を見渡してみます。 多くの消費者は、いくつかの選択肢(候補) の中で比較・検討しながら購入を決めますので、競合する商品・サービス等の販売価格は必ず押さえておかなければなりません。

そして、実際にどの程度の価格に反応するのかは、景況感や価格弾力性(=価格変化に対する需要の反応度) といった消費動向に影響を受けますので、、、そうしたことも考慮しながら、「競合商品よりも低い価格にする」 とか、「富裕層向けの付加価値の高い商品なので収益が十分に見込める価格にする」 といったことを決めます。

私の支援経験でいうと、製造業が自社ブランドを持ったり、小売業に進出するような場合には、①しか考えない傾向があるかな と感じています。 製造業なので、マーケットを考えるという概念がなかったりするようですが、、、そうした偏った考えで販売すると、ほとんどは微妙な結果に帰結することになってしまいます・・・。

また、小売業の場合は、②③を重視して、①を軽視する傾向があるようで、そうした事業者の多くは、その内、資金繰りに行き詰まることになってしまいます。

利益も得られ、かつ、購入してもらえる価格・・・というバランスが求められますので、3つの視点を忘れずに販売価格を設定していただければと思います。

(今度のセミナーでは、こんなお話もする予定です^^)