先日、卒業式のレンタル衣裳について調べる機会があったので、私も「卒業」ということについて少し考えてみました。

卒業: ①学校の全課程を学び終えること  ②ある段階や時期を通り過ぎること (大辞泉より引用)

支援現場においても「卒業」という言葉を使うことがあります。 何となく意味は通じると思いますが、私は次のように定義してみました。 「相当程度の時間や労力をかけることによって支援の全過程が終了し、その結果、我々支援者の手を借りずとも企業自身の力で経営を維持できる状態になること(外部支援が不要となること)」

このような観点で振り返ると、「卒業」というケースは少ないように思います。 多くは期間満了による「卒業」・・・つまり、全過程を学び終えていなくても卒業しなくてはならない・・・上記で言えば②の意味合いでの卒業になっていると思います。

典型的な例を挙げます。 補助金事業によって支援している場合、補助金を投入している性格上、支援機関は相当程度の成果を期待します(事業の要件だったりもします)。 しかしながら、企業側は自費負担がない(少ない)ため、往々にして「費用対効果」の意識が甘くなります。 すると、課題をやってこない→支援が進まない→成果が出ない(小さい)・・・という負のスパイラルに陥り、結果、支援機関とすれば継続支援する意義は少ない=一定期間(回数)の支援の後に卒業・・・という判断をせざるを得なくなります。

近年、負のスパイラルに陥ることが予見される企業への支援は明らかに少なくなっていると感じています。 しかしながら、「この先大丈夫かな」と不安になったり、「多分ダメだな」と思いながらも送り出さなければならない卒業がある・・・というのも事実です。

全ての支援先が、本当の意味での「卒業」となることを心から願っています。