多くの人が知っているイソップ寓話  「アリとキリギリス」。

冬の食べ物を蓄えるために夏の間もせっせと働くアリと、毎日バイオリンを奏でながら過ごすキリギリス。 やがて冬が来ると 草は枯れてしまい、キリギリスはアリに食べ物を分けてもらおうとします。

この後、大きく3つのシナリオが伝わっています。

① アリはキリギリスに食べ物を与えず、キリギリスは飢え死にしてしまいました。 ② アリは食べ物を与え、キリギリスはこれをはこれを機に心を入れ替えて夏に働くようになりました。 ③ アリは食べ物を与え、お返しにキリギリスはバイオリンを弾き、一緒に楽しい冬を過ごしました。

皆さんが知っているのはどのシナリオですか?

 

さて、キリギリスの生態から(・・・というのも変かもしれませんが)、キリギリスがプロのバイオリン奏者だったと仮定して考えてみたいと思います。

前提として、プロなのですから、演奏が気に入られなければ 食べ物をもらえません。 すると、楽しそうに演奏しているように見えた夏のキリギリスは、もしかすると、来たるべき冬(生死を賭けた勝負の季節) のために 必死に練習していたのかもしれません。

そして、その結果として ①と③ に分かれること、もしくは、②という別の選択肢 (プロ引退) があることを示しているのかもしれません。

コツコツと働いて蓄える生き方 にしても 特殊技能を活かす生き方にしても、先を見据えた行動 (計画性) と 毎日の努力の積み重ね が大切であることは共通しています。 しかし、後者は、①という結果も在り得るという厳しい生き方であることを理解しておかなくてはなりません。

経営者の皆さまは、好むと好まざると、こうした生き方を選んでしまっているということを 常に頭に入れておかなければなりません。