「会社は誰のもの?」と大々的に話題になったのは 2005年くらいの頃。 ・・・若い世代の方は知らないかもしれませんが、当時、ライブドア(堀江氏)や村上ファンドによる買収騒動によって、国民全体で一大論争となりました。

このとき、法的な見解として周知されるようになったのは、会社は「株主」のもの、、、株主が出資することで会社が作られ、社内で一番偉い立場の社長(代表取締役)でさえも、株主から会社経営を委任された存在にしか過ぎません。

・・・つまり、会社の所有者は「株主」 → 「株主」は「経営陣」に経営を委任 → 「経営陣」は「従業員」を雇用して事業を運営 → 賛同された「お客様」が商品購入やサービス利用をする… といった構造(フロー)となります。

(中小企業では、発行株式の過半数が同族の経営者で占められることが多いため、経営陣のものというケースが多いです)

でも、「従業員」が帰属意識を持ちながら日々の業務をこなすことでこの会社が形作られているし、商品やサービスを好きで利用してくれる「お客様」がいるからこそこの事業が成り立つ、、、

そうした観点から、「会社は、株主、経営陣、従業員、顧客等の会社に関係する人たち皆のもの」、さらに概念を広げていくと、その会社も地域の中で関係を築きながら生きる存在のため、「会社は、社会全体のもの」…という考え方が 2020年代の主流となっています。

さて、昨今話題に上がる「従業員による景品の不正転売事件」、、、直近では、くら寿司の従業員が「ちいかわ」の景品を抜き取り転売したことが社会問題になっています。 ・・・これは、一個人に対する「窃盗罪」や「業務上横領罪」に止まらず、、、

・株主の立場では、キャンペーン中止に伴う広告宣伝費用の損失(無意味となった広告宣伝費)とキャンペーン期間に得られたであろう遺失利益、飲食代割引(中止のお詫びとして10%割引を2日間実施)による減益等について、配当原資の毀損として株主代表訴訟を起こしてもいいほどの一大事件。

・従業員の立場では、一連の騒動による減益、あるいは、キャンペーン期間に得られたであろう遺失利益により賞与原資の毀損が生じます(→つまり、賞与で本来もらえた額がもらえない可能性が出てきます)。

・「くら寿司」や「ちいかわ」のファン(利用者)の立場では、自分の好きなものに対してイメージの毀損が生じています(→株主や従業員のような金銭面の毀損は生じなくても、気持ちの面でとても嫌な思いをしています)。

・地域社会(住民)の立場では、「くら寿司」単店規模では特段影響はないでしょうが、大型スーパー等で事故や事件が起きると、地域の安心・安全の毀損や食生活インフラの毀損など 影響が出てきますね。

・・・くら寿司の事件は、一個人が起こした刑事事件、社内体制の問題、お客様からの苦情といった目に見えるところだけでなく、会社に関係する様々な人に影響が出る一大事件だということも意識しておきたいですね。