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最低賃金を比較する上で、社員については注意しないといけない点があります、、、それは、月給を時給に換算する際に、月給から除外しなくてはならない部分がある、という点です。
・・・例えば、月給の中に、予め一定時間分の割増賃金(みなし残業代等)や通勤手当を含めている場合がありますが、時給換算の際、これらは除外します、、、ご認識が違っている方が結構いますので要注意です!
簡単な例ですが、、、青森県の会社の社員Aさんの月給 20万円(本給 13万円、みなし残業代 4万円、通勤手当 3万円)、月所定労働時間 140時間とすると、Aさんの時給は、13万円 ÷ 140 = 928円となります。 ・・・青森県の令和 6年度の最低賃金 953円(昨年度から55円UP)を下回るため、発効日(10/5)までに賃金改定しなければなりません。
ここで、Aさんは令和 5年度の新入社員のため、昨年度の最低賃金 898円を少し上回る本給を設定していましたが、、、当然のことながら、令和6年度の新入社員以上の本給にしないといけないですよね。 かつ、Aさんの先輩の本給を上回ってもいけないため、ちょうど良い設定ができなければ、先輩の本給も玉突きで上げていかないといけなくなります。
・・・このように、最低賃金に 1人でも抵触すると、社員間のバランスを取るために複数の社員の本給を変えていく必要が出てきてしまいます。
そして、もう一つ気にしなければならないのが、パート・アルバイトの年収の壁(収入の壁)・・・100万円(住民税)、103万円(所得税)、106万円(社会保険①)、130万円(社会保険②)、150万円(配偶者控除)。 この壁を越えるような場合、以前より実収入が減るケースも、、、
だったら壁の手前に抑えたい、あるいは、会社が社会保険を負担することが厳しいため、106万円の壁を越えさせないというケースもありますが、、、こうした場合、勤務時間を減らさざるを得なくなります。
・・・そうした従業員がどれくらいいるか事前に把握(予測)し、人手不足になりそうな場合、すぐに求人に動かなければなりません。
国の方針として、全国加重平均 1,000円(2023年度達成)、2030年度頃に全国加重平均 1,500円 が示されており、次の政権が方針転換しない限り 最低賃金の引き上げは確定事項(→ 2025年度の狙いは、低い地域でも 1,000円以上か!?)。
・・・ですから、本給が低い(最低賃金ギリギリの)会社は、年々対応が難しくなるため 労基の摘発も増えるでしょうし、年収の壁(収入の壁)が法改正されるまでは、最低賃金引き上げとともに人手不足にもなるでしょうから、、、最低賃金引上げに端を発する倒産・廃業も出てくるのかな、と危惧しています。。。
国は、大企業やマクロの動きしか見えていないため、中小企業や小規模事業者の実態が理解できていない、、、最低賃金引き上げの前に、なぜ賃上げできないのか考えていただきたいものです。 ・・・過去のコラムはこちら(写真をクリックすると記事が開きます↓↓↓)