先日、とある商品を購入しようとあちこちネット検索、、、その中で、一番安い!と目を付けていたショップよりも、更に千円ほど安いサイトを発見

・・・詐欺?と警戒して調べましたが、まあ大丈夫そう、、、何年も前から販売されている商品だし、サイズ・カラーで欠品だらけのため、在庫処分安く出しているのだろうと判断して注文

メールの自動返信や出荷連絡もきちんとしていて、商品も問題なく到着。 使って気に入ったので追加購入しようと再びサイトを見ると、なんと、とてもお高いメーカー直販価格に変更されていました!

・・・もしかして価格表示間違えていたの!? 今、コラムを書いていて思ったのは、メーカー直販価格の 6掛け程の価格だったため、間違って仕入価格を表示したのでしょうかね^^;

さてこんな時、販売者は、返品差額を求めることはできるでしょうか? 出荷前に気付いた場合、販売を取り消すことや価格の訂正を求めることはできるでしょうか? (私はそれに応えなければならないのでしょうか^^;)

・・・それは、売買契約成立しているかどうかによります

価格表示は合っていますか?

よくあるケースで、購入完了画面が表示されたり、自動返信メール注文確定連絡がなされたりします。

・・・これは、購入者が間違えてボタンを押してしまったとしても、「売買契約は成立したため、もう取消できませんよ!」という販売者の防衛手段ではあるのですが、逆に販売者に不利に働くことも、、、つまり、間違えて安い価格を表示していても、売買契約成立する(その価格で販売する義務を負う) ことになります

また、民法第95条・・・契約取消が可能かどうかについて、大きく 2つのポイントが示されていますが、、、
① 販売者に錯誤があった場合は取消可能。
 但し、販売者に重大な過失があった時は不可。
 (誤表示=重大な過失に該当するため取消不可)
② 購入者が、表示に錯誤があることを知っていたら、
 または、購入者に重大な過失があった時は取消可能。

①より、価格の誤表示は基本的に契約取消不可、、、あとは ②に該当するかどうか

・・・よく高級ブランド品が 100円で販売されていた場合などが例示されますが、、、あり得ない安い価格で販売する理由(例:感謝祭で限定1個販売) が表記されていない場合、普通はおかしいと思うはず、、、なのに購入しようとするのは、価格表示の錯誤があると知っていた、と判断されるというもの。 こうした場合は ②に該当し、契約取消可能となります。

・・・但し、前述のように、売買契約が完了した旨の表示通知を販売者がしてしまったら、、、本来は ②に該当するけれど「販売者はそれを承知で売買契約を結んだのでしょ?」と抗弁されてしまいますね(法的にどう決着するかはケースバイケースとなるのでしょう^^;)

こうしたことも踏まえて、誤表示の対策としては、売買契約成立のタイミングを後ろにずらす手法(それによって気付く機会を増やす)があります 。 注文 → 注文確認の自動返信メール(ここでは売買契約未成立)→ 在庫確保のメールや出荷完了のメール(ここで売買契約成立) といった利用規約(表示)を整えておくものです。 ・・・発送準備で明細表を作っていたら、「これ安すぎる! 間違えてる!」と気付くことを狙っています^^

・・・但し、売買契約成立までは購入者からの取消も可能となるため、そうしたことをシステム的に対応できるようにしたり、これまでと業務の流れを変える必要も出てきたりしますので、、、メリット・デメリットを考えて運用する必要がありますね。