もう20年近く前、私が社会人になりたての頃の話です。 当時、オペレーターと呼ばれる 伝票入力のスペシャリストがいました。 彼女たちは、機械のように速くて正確、人を寄せ付けないオーラをまとったクールビューティな集団でした。

さて、その頃、私の仕事の中で 伝票入力が大きな割合を占めていました。 パソコンに触ったこともない私にとって、また、入力はオペレーターの作業ブース (・・・社員は入るな、声をかけるなオーラで包まれています・苦笑) で行わなければならず、緊張を強いられる日々が続きました。

まあ、仲良くなってしまえばこっちのもの・・・3ヶ月もすると用もないのに遊びに行くようになりましたが、それは別の機会にするとして本題に(笑)

このように、プロフェッショナルな人たちの中で作業していると、まるで 「門前の小僧」 のように多くのことを吸収し、脂の乗った3年目にはオペレーターの1人を上回るまでに成長していました。

作業としては、入力 ⇒ 照合と2段階あります。

まず、数字を見れば反射的に指が動くまで 日々の入力の中で訓練していきます。 そして、指のポジション・動かし方、伝票の置き方・めくり方、目線等々のテクニック的なものを身に付ければ社員№1レベル・・・それでもオペレーターにはかないません。

そこであみだしたのが 「右脳」 を使った照合です。

照合というのは、入力した内容が合っているかを帳票で確認する作業です・・・普通は、1つ1つ伝票と帳票の数字を見比べて確認していきます。 つまり、これは 「左脳」 を使った照合です。 一方で、「右脳」 を使った照合というのは、数字を形で捉えます。 形と形を少し大きな塊で比べていき、その形に違和感がないかを感じ取っていきます。

「右脳」 は同時並行的に物事を把握できるため、「左脳」 よりも格段に処理能力が高いのです。

しかしながら、それでも経験の浅いオペレーター1-2人を上回るのがやっと・・・その上にいる4強には遠く及びません。 おそらく、彼女たちは、入力の際にも伝票の内容を 「右脳」 で捉え、脊髄反射的に指を動かしていたのでしょう。

それではかなわないな(苦笑)・・・ そんなことを20年近く経った今 フト考えていました。

最近、テレビや雑誌などで紹介されている 「脳科学」 ですが、皆さんのお仕事でも何かしら取り入れてみてはいかがでしょうか?