お正月の駅伝やマラソン大会など、襷を渡したりゴールしたりした瞬間に倒れてしまう選手を見ることがあります。 私はこれまで、苦しそうな痛ましい映像に何とも言えない気持ちになるのと同時に、うらやましいと思ったりもしていました。

そこまで力を出し切った記憶というのは、スパルタ式で育てられた会社員時代、経理の仕事をしていた数年間くらいでしょうか。 毎日疲れ果て、会社に行くのが嫌で嫌でたまらなかった反面、気がつけば出来ることがドンドン増えて少しずつ楽しさを見出していったのを覚えています。

経理の仕事を離れてからは、仕事が終わって立ち上がれない、歩けない、手も動かない なんてことはなく、、、つまり、常に余力が残っていたということ・・・。 もちろん、余力を残しても仕事をこなせるくらいに成長したという裏返しなのでしょうが、力を出し切ることに対する懐かしさと 力を出し切ることがない毎日に苛立ちを覚えていたように思います。

全力で仕事に打ち込みたい、、、会社を辞めた理由はいくつかありますが、本質的な理由はそこにあったのかもしれません。

会社を辞めてからこの 10年、全ての力を出し切きるまで仕事をしても良い環境の中で思うこと、、、限界を超えた経験を重ねるほどに能力が高まっていくということ。 しかも、自身で実感できるだけのキャパの広がりがあり、なんとなく 若かりし頃に体験したあの感覚がよみがえってきます。

この数年、成長しない社員についての相談が増えていますが、、、それは全力で仕事をさせていない、力を使い切らないとこなせないくらいの仕事を与えていない(量だけでなく質の面でも) ということが原因なのかもしれないと私は思っています。

新人の頃から、社員を大切に大切に育てる風潮が色濃くなった時代、だから成長しなくなったという一面があるのかもしれませんね。