支援をしていて、内心ため息が出てしまうことがあります。 それは、業界全体が衰退しているにも関わらず、業界内の成功事例を求められることです。

例えば、1980年代に音楽媒体としてCD(コンパクトディスク) が登場してから、レコード製造業は急激に衰退していきました。 そうした中で、同業のレコード工場がどのような取り組みをしているのか ・・・と成功事例を期待する人はいるでしょうか?

そう聞かれると、多くの人が 「期待しても有益な情報はない」 と思うことでしょう。

なぜなら、大きな環境変化の中で、レコードが求められなくなっているのを知っているから。 そして、それを反映して、国内レコード製造業は 1社のみとなりましたが、、、成功事例というなら この企業か、業種業態転換を果たして生き残った企業になるでしょうか。 ・・・いずれにしても、ちょっと聞いただけで 取り入れられるような事例ではないでしょうね。

それにも関わらず、衰退する業界内の成功事例を求めるというのは、、、厳しい言い方になりますが、大よそ自身の業界が置かれている状況を理解できていないか、あるいは理解したくない(=目を背けている) のでしょう。

業界全体が衰退している中で まずやっていただきたいことは、他社に目を向けるのではなく、自身や自身の業界が置かれている状況を冷静に判断すること(=厳しい状況であることを正しく理解すること) です。 ・・・全てはそこから始まると思っています。

目を向けるべき方向を誤ると、いたずらに時間を浪費して、さらに厳しい状態に追い込まれるだけですので、、、ご留意を。