今日は、支援者向けの研修をしていて感じることを書きたいと思います。

研修をしていてたまに耳にすること、、、「小規模事業者の支援に そんな難しいことは必要ない」。 ・・・そういう言葉を聞くにつれ、嘆かわしいというのか、その地域の事業者さんは可哀そうと思ってしまいます。

まず、考えて欲しいのは、事業者を取り巻く環境、具体的には 「戦う相手」 が変わってきているということ。

以前のコラムにも書きましたが、今は、大手企業でさえも生き残るのが厳しい時代に突入しています。 すると、今まで手を出してこなかった効率の悪い商売にも手を伸ばし、少しでも利益を得ようとしています。 つまり、収益性の良いとはいえない狭い商圏にも、管理が煩雑になる細かな品揃えやサービス対応にも 大手企業の手が伸びて来ています。

大手企業そのものが手を伸ばすこともあれば、分社化(子会社化) して小回りの利く小さな組織となり それぞれが生き残る道を模索するなど、大手企業もなりふり構わず 小規模事業者の領域に攻勢をかけています。

そして、この数年で TPPが進展すると、ここに外資企業が加わることになり、必然的に世界的な戦いの渦に巻き込まれることになります。 買収もより活発化するでしょうから、発注元が外国籍の企業となることで、競合相手が海外の企業であったり、発注元と会話できないなんて事態も少なからず出てくる可能性があります。

また、既に最大の問題として、人口減少や高齢化による消費の低迷が起きています。 商圏人口が減ると、だまっていれば収益が減ることになりますが、、、そうしたことへの対策(対競合を意識した方策の実施、商圏を広げるための商品開発や SNSの積極的な活用など) は、多くの小規模事業者にとっては、大よそ今までやってこなかった新たな取り組み(高度な取り組み) となるはずです。

この数年で起きているこうした大きな変化を考えた上で、「小規模事業者の支援に そんな難しいことは必要ない」 と言っているのでしょうか、、、簡単なことだけやっていて果たして生き残れるのでしょうか、、、今置かれている環境を冷静に考えていただきたいと思っています。

(次回につづく)