【デジタルデバイド】 IT(情報技術)を利用できる層とできない層との間で生じる格差のこと。 パソコンやインターネット等の情報技術を使いこなすことで、情報の入手量や質が格段に向上する一方、使いこなせない人との間に 「情報格差」 を生み、それが機会や待遇の差、最終的には貧富の格差にまでつながるという考え方。 (日本大百科全書より)

この言葉を知ったのは 10年以上も前、中小企業診断士の勉強をしていた頃だったように思います。 当時は、パソコンは普及していましたがタブレット端末などはなく、気軽にネットにつながるには少しハードルのある環境でした。 また、フェイスブックのような気軽に情報を受発信する仕組みも整っていなかったため、そういった意味でも、「知っている人は知っている (知らない人は知らないまま)」 という格差のある時代だったように思います。

しかしながら、今日の日本では、気軽に情報に触れることのできる環境が整い、多くの人が、その気になれば様々な情報を得ることができる時代に変わっています。

さて、最近の支援で感じることは、「情報格差」 があまりに大きいということ。 有益な情報を知る事業者は、様々な助成金や好条件の融資を獲得し、専門的な助言を得て、事業の拡大・安定、あるいは立て直しに向けてまい進しています。 その一方で、そうした情報を知らない事業者は、、、この厳しい経営環境にあって自分だけの力で努力するしかないという状況に陥っています。

そうした状況がなぜ生じるのかといえば、、、「情報 > 情報を得るための労力・お金」 と考えるのか、「情報 < 情報を得るための労力・お金」 と考えるのか、、、「情報」 に対する価値観の違いなのかなと思います。 「情報」 に大きな価値があると考える事業者は、多少の労力やお金をかけてでも情報を得ようと動いていますし、そうでない事業者は、面倒だから・お金がかかるなら…と情報を得ようと動きません。

実は今、国は 小規模事業者の支援のために補助金を出したり、支援制度を整えたり、これまでになかったような支援をしています。 そうしたことも、知っている人は有効に活用し、知らない人は何も活用していない、、、その結果、事業者間の経済的な格差も広がっていきますね・・・。

ただ、そうしたことを聞いて 「ずるい!」 と言っているだけでは、残念ながら格差は解消されません。

例えば、商工会や商工会議所に加入している事業者は、適時送られてくる情報を確認したり、無料の支援制度を活用して経営改善に役立てています。 自分で情報を得たり 考えたりしなくても、会員になることでそうしたサービスを得ています ・・・ 会員になる・会費を払う という 「努力」 をしているからこそ得られる情報ともいえますね。

例えば、行政や支援機関のホームページを毎週確認し、活用できそうなものは小まめに問い合わせている事業者もいます。 お金は掛けられないから と、ちょっとした手間を掛けることで 「有益な情報」 を得ています。

さて、皆さまは、「有益な情報」 を得るために どのような努力をしていますか?