2013年の新語・流行語大賞トップ10に入った 「ブラック企業」。 その後、様々な形で報道されるようになり、対策も徐々に進んできているようですね。

【ブラック企業】 度を超えた長時間労働やノルマを課し、耐え抜いた者だけを引き上げ、落伍者に対しては、業務とは無関係な研修やパワハラ、セクハラなどで肉体・精神を追い詰め、戦略的に自主退職へと追い込む。 (2015年知恵蔵より抜粋)

まあ酷い会社だこと・・・という印象を持つ説明ですが、、、このようなブラック企業についての特集記事を掲載した 「東京新聞」 が話題を呼んでいるようです。 それは、「過労死ラインは月に残業 80時間」 と定義したこと。 これは、「度を超えた長時間労働」 を具体的に表したものといえますが、端的にいえば、「月に残業 80時間以上させる会社はブラック企業だ」 ということですよね。

さて、この定義に当てはめると、ブラック企業は何割くらいになるのでしょうか? (役員や年俸制の社員などを除いて) 1人も 80時間以上残業する社員はいない! という会社、見てみたいです(笑) まあ、業績低迷で 残業するほど仕事がないという会社はあるでしょうが・・・。

最近は、社員の給与引き上げ要請 や 有給休暇の取得義務化(罰則規定あり) など、労働者保護の機運が高まっていますが、、、(それ自体は良いことですが) 「現実を見ないあるべき論」 に偏ってきているようにも感じています。 大企業は相応に対応するのでしょうが、中小企業・小規模事業者はどうでしょうか、、、法律に定めるとか 特に罰則規定などは、中小企業経営の実態を分かった上で進めないと、立ち行かなくなる事業者が続出することになりかねませんね。

例えば、先日、ファーストリテイリング社が中国の下請工場の労働環境について NGOから告発されましたが、、、私はレポートを読んでも  「ふーん」 くらいにしか感じませんでした。 なぜかというと、アパレル業界は、特に川上では そんなに珍しい環境でもないんですよねぇ。 特に、皮・革関連の業界は、決して口にはできないような状況ですし・・・(汗)

これからの時代、労働者保護のために法律を整え、違反した事業者には罰則やネット叩きで制裁を加え、正しい社会を作っていくのかな。 だけど、水清ければ何とやら、、、残念ながら、日本経済の底辺を支えてくれる中小企業や小規模事業者の多くは、そうした澄みきった清らかな水の中では生きていけないかもしれないですね。

先日の支援ではそんな話題で盛り上がりましたが、、、皆さまも、マクロ環境の大きな動きを見ながら、ご自身の会社や 取引先にどのような影響が出るのか、事前に対応を考えておいてくださいね。