経営支援をしていると、借入金が多く、元本返済どころか利息の支払いにも苦慮する企業に出会うことがあります。

それは、デフレ環境下では、金融緩和の影響で 金利がみるみるうちに低下していきましたが、、、それより以前に借入していると、物価は下がるのに 金利(返済額) は高いまま・・・返済の苦しさは増していきます。

そんな時に、複数の借入先を一本化させる( 1つの金融機関の低金利融資に借り換えを行う) などして、返済を楽にする方法があります。 ・・・金利(返済額) が下がるのですから 良い方法に違いはないのですが、気を付けなければならないことも、、、

それは、借り換え当初は、月々の返済額が下がることもあり 順調に返せるものとして返済計画を立てますが、昨今の厳しい経営環境にあっては、計画通りの収益が得られない = 返済が難しくなるという事態もあり得ます (→ 見通しが甘かったということではありますが・・・)。

すると、追加融資を打診することになりますが、一本化してしまえば打診先は 1つのみ、、、その金融機関は、果たして 快く追加融資に応じてくれるでしょうか???

そうしたリスクへの対策として、例えば、都市銀行や第一地銀などの規模の大きな金融機関 と 小回りの利く地元の信用金庫というように、 対応(貸出方針) の異なる複数の金融機関と取引を継続しておくということは、将来の危機への備えにつながる可能性があります。

例えば、ある経営者は、無借金経営であることの将来リスク(困ったときに借りるあてがないこと) を重くみて、低い金利の内に借入することで 取引実績を作っています (もちろん、更なる金利交渉は 抜かりなく行っています)。 ・・・ある種 保険のような感覚で借入していますね。

経営者の皆さまは、借入を一本化することのメリットとデメリット、また、分散化することのメリットとデメリットを考えながら、自社の置かれている状況に応じて バランス良く金融機関とお付き合いしていただければと思います。