今週は、岩手県の沿岸部 (野田村、普代村、山田町、大槌町、宮古市) に行っていました。 山田町と大槌町はちょうど 1年振りの訪問になります。

この一年、岩手県と宮城県の沿岸部を度々訪問していますので、地域によって 復興の状況や直面している課題の違いを感じる取ることができます。

例えば、防潮堤やかさ上げの問題。 「まずは生活できるようにして欲しい」 「いや、津波が来たらまた流されてしまうような地域には住めない」 ・・・議論にならない平行線の意見が続いています。

陸前高田市の高田地区は、標高 120mの山を 40mまで削り高台にし、新しい町を造ります。 かさ上げは高さ 8-10m ・・・あの山を削って、あの広大な地域に 8-10m も土を盛るの???  いつ終わるのかと思える工事現場を目の当たりにすると、完璧な安全も大事だけれど、まず生活環境を整えることが先決では? と思ってしまいます。

その一方で、、、普代村では、明治の大津波で多大な犠牲者を出した教訓から、1984年に 高さ 15.5m の巨大な水門を 2つ完成させました。 高さにこだわった 総工費 35億円の水門は 当時 多くの批判を集めたそうですが、この巨大な水門のお陰で 内側の集落と小学校が守られました。 このような話を聴くと、町を復興させながらも 防潮堤やかさ上げの安全対策は譲れないと思ってしまいます。

生活と安全どちらが先か・・・相対する思いがあるのですから、住人の意見をまとめる、全員が納得する施策を打ち出すというのは至難の業。 さらに、お金と時間という制約条件の中で、判断し実行に移さなければならない行政側の苦労・心労もうかがい知ることができます。

 

【アイスブレイク】 野田村で見かけた マスコットキャラクター 「のんちゃん」 です。
赤ちゃん(鮭の稚魚)ですが 町のために頑張っています♪

詳しくは、野田村観光協会HP ⇒ http://www.noda-kanko.com/nonchan/prof/

 

(中編につづく)