宮城県石巻市の沖合は、黒潮(暖流) と親潮(寒流) がぶつかる世界三大漁場として、また、市内でカキの養殖法が開発されて世界中に広まるなど、有数の水産都市として名を馳せています。

そんな水産都市の石巻ですが、市の北東部は 北上山地 とリアス式海岸によって平地が少なく、山間・川沿い・海辺 のちょっと開けた土地に点々と集落を作って生活しているような地域となっています。

 

こちらは、北上川河口から約 4km の川沿いに位置する釜谷地区・大川小学校 (写真 中・右)。 過去の津波では、北上川は遡上したものの釜谷地区への被害はなかったことから、大川小学校は避難所の位置付けとされていましたが、、、

津波は、校舎も避難しようとした新北上大橋(写真 左に薄っすら映っている緑の橋)も飲み込むほどの大規模なものでしたが、裏山への避難という選択肢が後回しにされたことが災いし、大変多くの犠牲を出してしまいました。

災害時には、一人ひとりが勝手な行動を取るのではなく、管理者の指示に従い 事前に決められた行動を取ることが求められますが、そもそも事前に決められた対応策が適切でなかったなら、、、現地にいた人にとっては悲劇としか言いようがありません。

どのような危機が想定されるのか、その危機が発生すると どのような影響があるのか、その影響に対する事前の対策は、発生した際の対応策は、決めた対応策を実行できるのか(周知しているか ・ 訓練しているか)・・・などなど、改めて危機管理の基本を考えさせられます。

この地震では、北上川を約 50km 遡上するほどの大規模な津波が押し寄せました。 「なぜこのような場所に津波が??? 」 と思われるような山中で被害が出ているのは、このような河川の遡上によるものなのです。

現在、北上川河口から約 4km の川岸の区間は、復旧工事のため 朝から日没まで 何十台もの大型トラックが絶え間なく行き交っています (写真 左)。 この一帯は 土ぼこりのため 薄茶色の世界 ・・・ 早く澄み切った青空に戻ることを願っています。