今週は、宮城県気仙沼市に行っていました。

気仙沼といえば、市街地に打ち上げられた大きな漁船 「第18共徳丸」 で一躍有名になりましたが、漁船は解体されて今はもうありません。

市では全世帯に 「保存の賛否を問うアンケート」 を実施しましたが、7割近くの市民が保存を望まないという結果となりました。 ・・・そういえば そんなニュースもあったなぁと思っていましたが、、、

地元では、アンケートなんて知らないとの声もチラホラと・・・。 また、テレビのインタビューに出た人が、解体前は震災を思い出すから早く撤去して欲しいと話していたのに、解体後になると、漁船が撤去されて見学に来る人がいなくなって寂しいと答えていたなんて話も・・・。

確かに、ランドマーク的な存在がなくなったこともあり、他所から見に来る人は格段に減っています。 今年の3月に来たときには バスツアーが随分と来ていましたが、今は驚くほど閑散としています。 当然のことながら、ツアー客向けのお土産販売で商売をつないでいた人には大きな影響が出ています。

その一方で、漁船が撤去されたことで 区画整理も進めやすくなり、町の再興に向けて加速しつつあるようです。 ですから、もしも漁船が撤去されていなければ、町の再興は未だに見えない状態だったのかもしれません。

撤去の是非が話題になったときには 「震災遺構」 の視点ばかりで、こうしたことについてはほとんど語られなかったように思いますが・・・。

何か大きなことをすると、良い面も悪い面も含めて 必ずどこかに影響が出るものです。 後になって 「そんなはずでは・・・」 とならないように、思慮深くかつ迅速に 意思決定を進めていただくことを願っています。