複数の人が集まって何かをしようとするとき、「合意形成」 が必要となります。

それは、参加者それぞれが 「ああしたい こうしたい」 とバラバラの気持ちを抱いたままで 物事を進めても、往々にして、後に不満を噴出させる者、決められた通りにやらない者が出てしまい、進捗や成果に大きな影響を及ぼす懸念があるからです。

それでは、「合意形成」 とは何でしょうか?

私は、「参加者の意見の背景にある多様な価値を顕在化させ、相互の意見(価値) の一致を図ること」 と定義しています。

それは、表面的に現した意見(答え) ではなく、その背景にあるものを一致させること ・・・ つまり、なぜその意見を出したのか、理由や意図、目的というような意見の背景にあるものをすり合わせ、共通の見解をもって同意することだと考えています。

そのためには、自身の意見の背景にあるものをいかに分かり易く伝えるか、相手の意見の背景にあるものをいかに汲み取ろうとするか ・・・ 参加者全員のそうした意識(参加姿勢) が重要となります。

当然のことながら、「参加者」 には、それぞれに意見(とその背景にある価値) があることが前提であり、表面的に現した意見(何の理由も意図もない) しか発しない、それさえもしない というのならば、それは、「観覧者」 「傍観者」 です。 意見(とその背景にある価値) を発するからこその 「参加者」 なのです。

たとえ間違っていても、発せられた意見には 他者に気付きを与える大きな価値があります。 「合意形成」 の第一歩は、間違いを恐れずに意見(とその背景にある価値) を述べること ということを忘れずに、「参加者」 であり続けていただきたいと思います。