明日から、第19期 中小企業診断士養成課程の 「流通業診断実習」 が始まります。 カリキュラム上は明日からですが、現地調査のための事前準備がありますので、実際は 1週間前よりスタートしています。

東京校に入学を希望している方のために、ちょっとだけ概要を書いておきます。

流通業診断実習では、まず、様々な統計資料や事前入手した資料を分析することで、当社の現状や当社を取り巻く経営環境を確認します。 そこから、当社の経営課題に関わる 「仮説」 を立案し、「仮説」 に基づいて調査設計を行います。 さらに、実地で調査を行い、調査データを集計・分析し、様々な 「事実」 を積み上げながら当社の 「問題」 を抽出します。 そして、その 「問題」 の根本的な要因である 「真因」 を抽出するというステップで診断を進めていきます。

実習では、本物の企業様を題材に実習をさせていただくという緊張感と、限られた時間の中で数多くのステップを駆け上がらなければならないため、研修生は、実習が終わると精根尽き果ててしまうくらいの中で 日々課題に取り組んでいます。

さて、そこまでして頑張ってきた実習であっても、「ただこなしてきた」 というのでは 実のところ何にもなりません。 ・・・ せいぜい自己満足か 思い出くらいにしかなりません (→ キツイ表現ですが正直な感想です)。

私は、実習の成果として 最終的に求められるものは、「再現性」 だと思っています。

例えば、同様のケースであれば、1人でも診断できること。 例えば、経験のない分野であっても、学んだ知識を組み合わせることで応用して診断できること。 例えば、派遣元に戻ってから、後輩の質問に答えられる、技法や考え方を具体的に教示できる、もっといえば リーダーとしてチームを率いることができること ・・・等々。

実習では、様々な生きた知識・ノウハウを得られる機会が、そこここに転がっています。 しかし、その機会を活かせるかどうかは、取り組む人の意識しだい。 ・・・ 実習を 「こなす」 のではなく、「再現できる力をつける」 という意識を 常に持って取り組んだかどうかにかかっている と思っています。

それでは、「再現できる力」 をつけるには、、、それは何と言っても、うろ覚えや自己流で行うのではなく、基本に忠実に行うことです。 そして、表面的な部分で分かったつもりにならずに、基本を丁寧に行うことです。

基本を疎かにする者は、どの世界においても成功しません。 それは、企業診断においても同じこと。 基本は全て、これまでの研修で配布されたテキストや 講師の指導の中に十二分に詰まっているはず ・・・ 迷ったらテキストをめくり 基本に立ち返る。 基本に 忠実に、そして 丁寧に・・・。

慌ただしさの中で 「こなす」 ことが目的となってしまった研修生がいたならば、そうした人にとっては少し厳しい講師だと感じるかもしれませんが、、、研修生の皆さんにとって、本当の意味で身になる実習にするためのお手伝いをしていきたいなと思っています。