前編からの続きです。

もう1つ大切なことがあります。 それは、「 『上手くいった』 と思った先に どのような行動をするのか」 です。

例えば、「ダメだった」 と思ったときには、何が悪かったのかを省みると思います。 しかし、「上手くいった」 と思ったときには、「細かいところで反省点はあるものの、まあ上手くいって良かった」 ・・・と深く省みることをしないのではないでしょうか。

このように、多くの場合、ダメだった時と上手くいった時とで、その先の行動に違いが出るものです。

しかし、「伸びる人」 は、上手くいったと思いながらも、細かく省みて 改めるべき点を探します。 総論が ○ だとしても、要素別に見れば ○ ・ △ どころか × もあることを知っているのです。 上手くいってもダメでも、その先の行動に変化はなく、深く省みることをしています。

例えば、養成課程の診断実習は 6-8 人のチームで行うため、大なり小なり 分担しながら診断を進めていきます。 ここで、それぞれが担当分野を完璧にまとめあげ、素晴らしい報告書を完成させたとします。

すると、「報告書の完成」 という視点では ◎ ですが、「自分が担当していない他の分野をまとめるだけの技能が身に付いたのか」 という視点では、往々にして × だったりします。 ゴールは、報告書の作成ではなく 技能の習得  ・・・ 「伸びる人」 は、実習が成功裏に終わった後に、他者の担当分野のノウハウを吸収しようと励みます。

「終わり良ければすべて良し」 では 残念ながら伸びません。 「伸びる人」 と 「伸びない人」 の差は、「上手くいった」 と思った先にある行動の差 である  ・・・ 養成課程の指導を通じて このように感じています。

多くの研修生が 「伸びる人」 になること、また、そうあり続けること を願っています。