もう何年前なのか分らないくらい以前のこと、テレビを見ていて とても心に残った言葉があります。

「時は金なり」 なんて甘い、「時は命なり」 や!

これは、漫才師のオール巨人師匠(オール阪神・巨人)が 若手漫才師に、漫才や舞台に対する取り組み姿勢を指導していたときの言葉です。 緊迫した場面で、胸に突き刺さるような衝撃があったことを今でも覚えています。

実は、支援の現場でも この言葉を思い出すことがあります。

「資金繰りが苦しい」 「この売上では会社が潰れる」 などと言いながら、できない(やらない)理由をつけて何の行動にも移さない経営者。 それは、単なる口癖なのか、社員へのストレス発散なのか・・・? 「時は命なり」 とは少しも思ってはいないのだろうなあ・・・と、まあ残念な場面で思い出すことが多いように思います(嘆)

 

さて、アパレル業界は(・・・業態にもよりますが) シーズンという大きな壁があるため、物事を1年のサイクルで考えていると大きな打撃を受けてしまう業種です。

例えば、早いブランドでは、そろそろ 2013年秋冬企画が始まろうかという時期です。 そうした企業にプレゼンしようと思えば、この1ヶ月程度の内にプレゼン準備が完了していなければなりません。 もしもプレゼン時期までに準備が間に合わなければ、このシーズンのメイン企画は他社に決まり、当社は穴埋め的な企画や シーズンに入ってからの現物対応しか出番はなくなってしまいます。

つまり、プレゼンのタイミングで準備が整っていなければ、そのシーズンの売上は限定的なものとなり、資金繰りが回らなくなる・・・ということが、1年近くも前から決まってしまう(予測がついてしまう) のです。

秋がダメなら春に挽回を・・・理論的にはそうですが、秋のプレゼンが遅れた企業が 春に間に合わせようとするならば (・・・つまり、既に春の準備も遅れているということです)、よほどの覚悟を持って取り組まなければなりません。

必要なのは、正に 「時は命なり」 の覚悟なのです。