私は、支援の中で、取引先を紹介することはあまりしていません。 要望はあるのですが、多くは丁重にお断りしています。

例えば、小売店ですと、衣料品、靴、バッグ、雑貨、書籍、文具・・・などに深く携わることが多いのですが、要望の多くは 「良い商品を安く仕入れたい」 というものです。 一方で、それらのお店に合致する商品を扱っている卸やメーカーの支援では、「付加価値のある商品を高く提供する」 という指導をしています。

例えば、小売店の支援では、「委託」 で交渉することを勧めています。 良い商品がなければ売上につながりませんが、新たな資金がない、決算実績の悪い小規模小売店にとっては 「仕入」 が大きな壁となります。 それを上手く解消するのが 「委託」 なのです。 一方で、卸やメーカーの支援では、「委託」 は極力断り、受ける場合でも掛け率が自社に優位になるような指導をしています。

どちらかを立てれば、どちらかを泣かせることになりますね。  ですから、どちらにもメリットがある場合に限り 紹介することにしているのです。

日々の交渉や取引が上手く成立しないと感じている方は、自分の立場を優位に持っていくことだけでなく、相手の立場が不利になり過ぎないように配慮することも意識されてみてはいかがでしょうか。