【ご留意ください】 この記事内にある 「マーケティング」 という言葉は、提供する商品・サービスそのものに関わる狭義の意味合いで用いています。

 

「プロダクアウトからマーケットインへ」 と言われるようになって、もう何年経つでしょうか。

経済成長、産業発展と共に、多種多様 かつ より良質な商品が提供できるようになり、消費環境は成熟していきました。 このような経営環境にあっては、消費者に注目し、いかに消費者ニーズに合致した商品・サービスを継続的に提供するか・・・今ではこのような 「マーケティング(マーケットイン)」 の考え方が一般的となり、冒頭のような言葉は死語になってしまったように感じています。

それでは、店頭について考えてみましょう。 店頭では、消費者が欲しいと思う商品を提供するだけでは 中々販売目標は達成しません。 最初は欲しいと思っていなかった商品なのに、(騙すことなく)欲しいと思わせることで、より多くの販売が可能となります。 このように、短期的に商品を売り込んでいくことを 「セリング」 といいます。 これは、店頭だけでなく 営業などにも適用される考え方です。

ここで、マーケティングの思考が欠落した商品を セリングだけで販売することは可能でしょうか。 店長クラスの優秀な販売員が大勢いれば別ですが、普通の販売員には中々難しいでしょう。 一方で、マーケティングの思考で仕入れた商品を セリングなしで販売することは可能でしょうか。 お客様が最初から欲しいと思う商品であれば売れますが、お客様が最初から興味がないような商品であれば、目にも留まらないでしょう。

つまり、「マーケティング」 の思考で揃えた商品を、販売員の 「セリング」 によりお客様に訴えかけることが必要なのです。

それでは、「セルフ販売」 の業態ではどうすれば良いでしょうか。 セルフ販売では、人件費を極力かけずに効率的な店舗運営を目指すため、販売員を活用しようと考えれば、経営が成り立ちません。 そこで、販売員の代わりにPOPを活用します。 POP は、別名 「物言わぬ販売員」 なのです。

「マーケティング」 の思考で商品を揃え、「セリング」 によりお客様に訴えかける・・・皆さまのお店では、「マーケティング」 と 「セリング」 が上手く連動していますか?