危機に直面した時にその人の本性が分かるなんて言われますが、、、新型コロナの影響で解雇・内定取消(一方的に解雇・契約解除を通知して一切取り合わない) なんていうのは、従業員をその程度の存在としか思っていないという証拠ですね。

今が相当厳しい状況であることは皆が分かることですから、最終的に解雇や内定取消となることは仕方ないこととしても、誠実に説明する・話し合いの場を持つ・相手の心情を理解するということは人として最低限必要なことだと思っています。

例えば、このまま給料を払うと近いうちに倒産せざるを得ない会社がありましたが、、、経営者は、資金繰りや仕事の状況の厳しさを丁寧に説明し、会社都合で解雇すれば 当面の生活は失業保険で何とかなること、再就職の際は 解雇に至った経緯を書面で渡すことで就活が不利にならないよう協力する等の話し合いをしました。 ・・・大切な仲間と思うなら、それくらいはしないといけないですよね。

さて、緊急事態宣言が発令されてにわかに問題となっているのが、「休業手当の支払が止まる」 「止めて良い」 との報。

そもそも休業手当の支払義務は、「使用者の責めに帰すべき事由」 のある場合に生じるため、緊急事態宣言や知事の休業要請 = 使用者の責めに帰すべき事由なし、だから休業手当の支払義務もなくなる!・・・と解釈されているようですが、、、

要請=強制力はなく最終判断は使用者であることから、本当に支払義務がないのかは、厚生労働省が明確に判断を示すか、裁判になって最高裁の判決までいかないと分からない・・・ということ、、、また、前述の通り、従業員を大切な仲間と思っているのなら、休業手当の支払を止める(支払わない) ことが人としてどうなのか・・・という観点で考える必要があると思っています。

4月3日のコラムにも書きました 「雇用調整助成金」 は、休業手当の支払い義務を負わない場合でも、実際に労働者に休業手当を支払っていれば支給対象となりますので(厚生労働省の見解)、、、こうした制度を活用しながら、従業員とともに苦難を乗り切っていただきたいと思っています。