2月1日、いよいよ本日発効された 「日欧EPA」。 日本と EU諸国との間で締結された経済連携協定のことですが、、、端的に言えば、参加国との間の輸出入で掛かる関税が撤廃されることになります。 ・・・つまり、その分 安く買えることに♪

それだけでなく、近年の米国を代表とする保護主義に対するアンチテーゼとしても大きな意味を持つ出来事だと感じています。

例えば、よくニュースで目にするのがワイン ・・・これまで 15% もしくは 125円/1L 掛かっていた関税が即時撤廃されることになります。 例えば、チョコは 10%掛かっていた関税が 10年掛けて、牛肉は 35%掛かっていた関税が 16年掛けて それぞれ漸減され、最終的に撤廃されます。

このように、即時撤廃されるものもあれば、段階的に関税を下げていくものもあるため、すぐに全ての欧州品が激安になるわけではないですが、、、物によっては、あるいは、数年単位で見れば 随分とお買い得感が出てくるため、今後、どんどん欧州品の購買意欲が高まることでしょう。

ちなみに、アパレル業界でいえば、衣料品は 10%前後掛かっていた関税が即時撤廃、革靴は 25%前後掛かっていた関税が 10年掛けて漸減され 最終的に撤廃されることになります。

このように、一消費者としては嬉しいことこの上ないのですが、企業としては、欧州以外の産地の商品の競争力が低下することになります。 ・・・もちろん、価格だけで優劣が付くわけではないのですが、今の国内の経済状況・景気動向を見れば、少なからず影響を受けることになりますね。

・・・とするならば、取扱商品を欧州品に変えるとか、欧州品にはないもっと独自性の打ち出せる商品に変えるとか、原価や販管費を削減して 価格の下がった欧州品と比べても遜色ない価格で販売するとか、あるいは、EU諸国に輸出することで日本製の優位性を打ち出すとか、、、売上・利益を維持するためには大きな工夫が求められることになります。

また、現時点ではこのような状況ですが、TPP11 との比較や、その他の経済連携協定等が発効されると 力関係も変わってきますので、、、少し長い時間軸で戦略的に考えることが求められます。

このように、日欧EPA は、チャンスだけでなく 一筋縄の対応では立ち行かなくなるようなピンチもはらんだ出来事ですので 注目して動向を見ていましたが、、、経営者の皆さまは、ご自身の会社(商品) への影響や今後の対応策を十分に検討していただけることを願っています。