皆さんは 「ロケ地巡り」 をしたことがありますか? 好きなドラマを撮影した場所に行ってみる、感動した映画を観た後にその場所を実際に訪れるというようなものです。 最近では、漫画やアニメの舞台となる街やゆかりのある場所を訪れる 「巡礼」 という言葉も使われ、ファンの間では大変盛り上がっているようです。

広島県は、「転校生」 「時をかける少女」 「さびしんぼう」 の尾道3部作をはじめ、「海猿」 「崖の上のポニョ」 「たまゆら」  など、評価の高い映画や人気アニメの舞台として登場しているため、「ロケ地巡り」 や 「巡礼」 など、普通の観光とはまた違った目的で多くの観光客が訪れています。

私は7年程前に 「ふたり」 「あした」 「あの、夏の日」 という大林監督の映画を観て、尾道を歩き周ったことがあります♪ それに続く2回目のロケ地巡り・・・先週末、映画 「ももへの手紙」 の風景を見に、広島県呉市の 「大崎下島」 に行ってきました。

映画に出てきた風景が現実に広がっており、「あー、これあった!」 と街中を楽しく周っていました。 それだけでなく、日本史に出てくるような名前をあちこちで見かけ、観光ガイドにはあまり紹介されていませんが、実は観光資源がとても豊富な島だったのでした♪

 

さて、こうした消費者(視聴者)の行動を地域振興につなげようと、従来の観光とは異なる 「新たな観光」 を志向する地域が数多く出てきました。 中でも代表的な成功例では、映画 「眉山」 の徳島市、ドラマ 「IRIS」 の秋田県などのロケ地誘致(撮影協力)があります。

しかしながら、こうしたロケ地誘致は、その作品が話題を集めなければ、中々観光(観光収入)につながらないという欠点があります。 例えば、2011年に公開された邦画は441作品あります。 その内、興行収入10億円を超えたヒット作品は32作品(7.3%)にしか過ぎません(日本映画製作者連盟発表の資料により算出)。

ここ数年の経過をみると、2010年-408作品中29作品(7.1%)、2009年-448作品中34作品(7.6%)、2008年-418作品中28作品(6.7%)、2007年-407作品中29作品(7.1%)・・・傾向的に7%前半です。 つまり、ロケ地誘致で地域振興を狙っても、成功の可否の出発点である 「ヒット作品」 となる確率はそれほど高くはないということが分かります。

また、映画館の延べ入場者数は10年前と比べて1850万人の減少・・・つまり、訴求・宣伝機能を担う 「映画」 との提携価値が低下していることとも相まって、以前ほど積極的な(政策的な)ロケ地誘致が行われなくなっているように感じています。

こうした中で 「ももへの手紙」 は、広島県と愛媛県がバックアップして集客を図る(久しぶりの)大きなプロジェクトとなっています。 (「ももへの手紙」 は、沖浦監督が自身のルーツである瀬戸内海を描きたいという思いで作られたものですので、いわゆる 「ロケ地誘致」 とは少し意味合いが異なりますが・・・)

大崎下島は、映画のシーンと共に、歴史的な建造物や風景など観光地としても見所が多くありますので、2倍楽しめると思います♪ 通称 「もも旅」 (http://momo-tabi.jp/)・・・ ぜひいらしてください!!