平成24年度 兵庫県内商工会議所 経営指導員研修
「エクセルで学ぶ! 現場で使える販売分析手法!」
日時/   平成24年5月17日(木)・18(金)
主催/   兵庫県商工会議所連合会
(主幹:神戸商工会議所・中小企業振興部)

 

昨日と今日、2回の研修を無事に終えることができました。 参加された皆様、さぞやお疲れのことでしょう。 長時間に渡りおつかれ様でした。

販売分析の基本は、「多面的」 かつ 「段階的」 に掘り下げていくことです。 見慣れない計算式や考察を重ねる中で、何をやっているのか分からなくなっていた方もいらっしゃったと思います。 冒頭に解説した 「作法」 に則って進めていますので、今どの位置にいるのかを 冒頭のページに照らし合わせて考えながら、ぜひ復習をしていただければと思います。

講義でお伝えしましたように、販売分析は、基本的に 「売上」 「収益性」 「効率性」 の3本柱で成り立っています。 しかしながら、実務的に、小規模企業の 「効率性」 を把握することは困難ということを考えれば、いかに 「収益性」 の分析を行うかが販売分析の 「肝」 になる・・・ということが理解できると思います。 つまり、多くの方が苦戦された 「相乗積」 をいかに活用するかにかかっているのです。

しかしながら、「相乗積(特にマージンミックス)」 の手法は、今回の研修で示したような形で教えるケースがほとんどない(ノウハウが一般化されていない)ため、現実的には、経営支援の現場で 「相乗積」 はあまり活用されていないことになります。

すると、販売分析は 「売上」 分析のみになり、一面からしか見ていない偏った分析となってしまいます。 そうした分析結果の多くは、経営者の直観的にも懐疑的なものと映り、助言をしても取りあってもらえない、場合によっては誤った方向に導く危険さえも生じてしまいます。 そうした意味からも、「収益性」 の理解度を高めることが、販売分析の質を高めることに直結するといえます。

変化する経営環境の中で、企業にはより高度な経営が求められています。 同じように、私たち支援者にもより高度な支援(・・・技能や新しい考え方)が求められています。 企業も支援者も、10年前、20年前のやり方のままでは通用しないのです。

「それは難しい」 「自分でやるのは無理」 と心に壁を作っていては何も変わりません。 企業をより良く変えるにはまず自分が変わる。 第一線で活動されている現場指導員には、これからも新しいものにチャレンジし続けていただきたいと願っています。