識字(しきじ) とは、文字を読み書きして理解できること、また、その能力のことを言います。

日本では、江戸時代以降、多くの子供が学校(寺子屋) に通うことで、「読み・書き・そろばん」 といった基本的な学力を身に付けており、江戸期、先進国である英国の識字率が 20-25%程度であったのに対し、日本は 70-80% と世界でダントツの識字率を誇っていたといわれています♪

さて、時は流れて現代、、、識字率は 100%近くあるので問題ありませんが、「機能的識字」 という、基本的な日本語の読み書き(識字) ができた上で それを機能的に利活用する能力が問題になっています。 ・・・例えば、新聞に書かれている内容や掲載されている表等の意味を理解できる、家電の説明書を読んでその通りに操作できる、薬の服用方法について説明文を読んで正しく服用できる・・・等々。

以前、「中学 3年生の 15%が、主語がわからないなど基本的な読み書きの力が不足していた」 との調査結果が新聞記事に掲載され、話題になりました。 さらに、約半数が 推論や 2つの文章の異同などを十分に理解していないこと、また、基礎的読解力は 中学では学年が上がるにつれて緩やかに上昇するが高校では上昇しなかったとのことで、「機能的非識字者」 は高校の教科書が理解できないことで学力が伸びない可能性があること も示されました。

また、仕事で見かける典型的な 「機能的非識字者」 の例としては、Line や Facebook は読める・打てるけれど、メールや報告書(複数の文節のある文章) は理解できない・適切に書けない という感じでしょうか、、、現代病というのか、特に 20-30代の方から、まどろっこしい文面、意味不明な稚拙な文面、短いセンテンスの細切れの文面(Line的な文面のメール) ・・・等々のメールをもらうことが多くなりましたね^^;

周囲を見渡せば、、、文字や文章を読ませるのではなく 図(アイコン) や漫画を使ってみたり、説明書を読ませずに 動画で説明したり 感覚で操作できるような仕様にしたり、スマホに触れる時間が格段に増えたことで 本を読む機会がなくなったり、twitter や Line等の普及により 長い文章を書く習慣がなくなったり ・・・というように、昨今、「機能的非識字者」 が生まれやすい環境が整っており、拍車も掛かっています。

そして、「機能的非識字者」 は、「複雑な内容や抽象的な概念を理解する能力が身に付いていない」 だけでなく、「思考が浅く短絡的になる傾向がある」 とも言われていますので、、、会社の中で、 「この人、理解力ないよな・・・」 とか 「なんて思慮が浅いんだろ・・・」 などと感じた時には、こうした可能性もあるのかなと思っています。

では、どうすれば 「機能的識字力」 が付くのかというと、、、昔から言われているように、本や新聞をじっくり読んで、考えて、自分なりの見解をまとめる・・・といった長文を読み解くための学習 というか 習慣を持つことですね (※40代後半以上の方は、中学生の頃に そうした学習をされた方も多いと思います^^)。

1週間や 2週間で簡単に身に付くような能力ではないですので、じっくりと取り組んでいただければと思います^^ノ