「起立、礼、着席」 ・・・ 学生の頃、こんな号令で挨拶した記憶があると思います。

突然ですがここで問題です。 礼の順番(タイミング)は、次のどれが正しいでしょうか? ①先生が礼をしてから生徒が礼、②生徒が礼をしてから先生が礼、③先生と生徒が同時に礼。

まずは、「礼」 について少し考えてみたいと思います。 紀元前5世紀頃の中国、春秋戦国時代と呼ばれていた頃です。 後に弟子たちが編纂する 「論語」 で有名になる孔子は、子が親を敬う気持ちを 「孝」 と名付け、さらに、その対象を他の人にまで広げたものを 「仁」 と名付けました。

孔子は、乱世を治め平和な社会を実現するためには、この 「仁」 の気持ちが重要だと考えました。 しかし、人の気持ちは見えないため 「仁」 があるのかないのかも分かりません。 そこで、「仁」 の気持ちを見える形にしたものを 「礼」 と名付け、相手への敬愛や感謝などを 「頭を下げる」 といった形で表わす 「礼」 の実践を説いて周りました。

このような意味を踏まえると、教わる立場である生徒が 「よろしくお願いします」 の気持ちを込めて頭を下げ、先生がそれに応える・・・正解は②となります。

しかしながら、「生徒」 を 「お客様」 と表現するようになってからは、「礼」 に込められた気持ちも変わってきているようです。 それは、お金を払っている生徒(お客様)は教えてもらう権利がある、先生は教える義務がある・・・となったのです。 すると、「教えさせていただきます」 と先生が頭を下げ、「分かり易く頼むよ」 と生徒が応える・・・現代の日本では①が正解というケースも実に多くなっています。

さて、皆様の会社では、教わる者が率先して頭を下げていますか? そうでないならば、社内の秩序が少し乱れているかもしれないですね。

 

明日に続く・・・。