私は映画を観に行く習慣がありません。 観たいと思わないこともないのですが、「1800円も出してわざわざ観に行かなくても、少し待てばテレビでやるし・・・」 という気持ちが大きいからでしょうか。

しかし、半年ほど前に映画を観に行く機会があり、その映画館では、毎月1日やレディースデイだけでなく、毎週月曜日は○○円、会員カードや提携クレジットカードを提示すると○○円・・・等々、様々な割引料金が用意されていて、賢く利用すれば1300円程度で観られることが分かりました。 ただ、毎週月曜日と言われてもそんなに都合よく行くことはできず、また、わざわざ会員になってまで・・・という気持ち(言い訳)から、やはり映画館に足が向くことはありませんでした。

そんな私が昨日、映画を観に行きました(・・・これは目的があってわざわざ観に行ったのですが、そのお話は来月書きたいと思います)。 この映画館では、平日15:30~18:00の間に開始される映画については、誰でも1200円で観ることができます。 会員カードもなく、年齢や性別も問わず、新作でもこの料金です。 しかも、インターネットで事前に座席指定や決済もできるため、上映時間に合わせて来館すれば良いのです。 実際に行ってみると、やはりこの時間帯は人がまばらで、のんびりと映画を楽しむことができました♪

映画は、お客様が1人でも100人でも上映しなければなりませんので、席が空いているならば価格を下げてでも来てもらった方が良い・・・正に箱モノ商売の考え方が適用されます。 しかし、割引が新規客の獲得(さにら固定客化)につながっていなければ、既存客に対して値下げしただけのことと同じになってしまい、経営に大きなダメージを与えることにもなりかねません。 例えば、固定客が年6回来館、料金1800円→1200円で観ることにした場合、新規客が固定客化しなかった(1回の来館で終わり)とすると、固定客が年8回来館しなくては元の売上が確保できない計算となります。

私は今回の来館を通じて、おそらくこの映画館の固定客になることでしょう。 それは、この映画館(ならでは?)の2つの要素が大きかったと感じています。

まずは 「割引」・・・通常1800円のところ1200円というのは大きいです。 しかしそれだけではなく、「平日のこの時間帯の映画は全て」 と分かりやすいこと、年齢・性別などの規定や会員カードの提示など煩わしい制約がないことも大きな要素です。 そしてもう1つは 「座席の予約」 です。 「観やすい席を確保するために早く窓口に行く」 ということをせずとも、インターネットで事前に座席指定をして開演時間に合わせて行く・・・自分の時間を有効に使えます。 おそらく、どの要素が欠けても心を動かされることはなかったと思います。

「割引」 や 「値引」 は集客の重要な要素の1つです。 しかし、経営にプラスに働くようにするためには、それ だけでは何かが足りません。 どうしたらまた来たくなるのか、今一度お客様の立場で考えてみてはいかがでしょうか?